【番記者の視点】G大阪が進む“ハイリスク・ハイリターン”の道 片野坂監督の覚悟決まる

前半、先制のゴールを決めパトリック(18)に祝福されるG大阪・ダワン(カメラ・谷口 健二)
前半、先制のゴールを決めパトリック(18)に祝福されるG大阪・ダワン(カメラ・谷口 健二)

◆明治安田生命J1リーグ第17節 G大阪1―2横浜M(18日、パナスタ)

 試合後の会見に臨んだG大阪・片野坂知宏監督は、どこか吹っ切れたような口調で語った。「首位マリノスさんを相手に準備してきたことを、臆せず、チャレンジしてくれた。早い時間に先制点を取ることができた。内容的に悲観する内容ではなかった」。敗れた悔しさ、勝利を届けることができなかったサポーターへの申し訳なさはにじませながら、勇敢に戦った選手たちをたたえていた。

 20日ぶりのリーグ戦。FWパトリックやトップ下のMF石毛が前線から積極的にプレスのスイッチを入れ、中盤やDFラインも連動。結果、前半7分には相手ゴールキックに下がらず、前からの守備で追い込み、ミスを誘ってMFダワンの先取点につなげた。同15分には、MF小野瀬のクロスからパトリックがフリーでヘッドを放つなど、決定的なチャンスもつくった。

 中断期間、片野坂監督はひとつの決断を下していた。「守備に関しては、やはり敵陣で奪うことはすごく大事。今、我々がチャレンジしているところです。選手も前から奪いに行きたいと共通していたのでトライしました」。現代サッカーでは前線からの守備は、どのチームも行う基本だ。ただその割合は、チームによって違う。片野坂監督は、ミーティングで選手たちの意見も聞いたうえで、ハイプレスの割合をこれまで以上に増やすことを決めた。

うなだれるG大阪イレブン(カメラ・谷口 健二)
うなだれるG大阪イレブン(カメラ・谷口 健二)

 互角に戦った前半に、選手たちも手応えを感じていた。しかし、後半に地力の差が出た。流れを奪われると、後半11、16分と立て続けに失点。指揮官は「5分間で2失点と言うのは、自分たちが課題としていた失点してからの姿勢、取り返すパワー不足。そこはマリノスさんに敵わなかった」と振り返った。

 今季のG大阪には、後半に運動量が落ちる試合も多く、“走れない”チームと言う印象があった。そのチームに、相当な運動量を要するハイプレスを戦術の核として求めることは酷ではないのか。片野坂監督に問うと、こんな答えが返ってきた。「私の中では、そういうサッカーができると思うし、やれる選手がいると思う。チャレンジする価値がある。課題は90分、どれだけ続けられるか。できなければ交代選手含め、全員でできるように。ただ守備ばかり90分やるわけじゃない。ボールを動かすところもチャレンジしていかないといけない」。そう言い切る片野坂監督に、迷いは感じられなかった。

前半、指示を出すG大阪・片野坂知宏監督(カメラ・谷口 健二)
前半、指示を出すG大阪・片野坂知宏監督(カメラ・谷口 健二)

 DFラインを下げ、粘りの守備からロングカウンターでゴールを狙うのではなく、“ハイリスク・ハイリターン”を狙う覚悟を固めたともいえる。今後の課題は、いかにチーム全員が共通認識を持った中で、交代選手も含めて強度の高いハイプレスを続けられるか。またボールを奪った際、速攻に行けない場合はボールを保持する時間をできるだけ増やし、体力を回復する時間に充てられるか。J2降格圏もちらつく15位に後退したチームに、課題は多く、道は険しい。ただJスタッツによると、この日のスプリント回数(202回)は今季チーム最多。敗れたとはいえ、首位相手に渡り合ったこの試合は、後半戦を戦う上での基準となる。(G大阪担当・金川誉)

前半、先制のゴールを決めパトリック(18)に祝福されるG大阪・ダワン(カメラ・谷口 健二)
うなだれるG大阪イレブン(カメラ・谷口 健二)
前半、指示を出すG大阪・片野坂知宏監督(カメラ・谷口 健二)
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