関東地方は梅雨に入りイサキ釣りが最盛期を迎えた。イサキが産卵を前にすると荒食いシーズンに突入する。南房・千田港の報知指定・三喜丸では、連日のように規定数上限の50尾を記録しており、30センチオーバーの良型も食ってくる。刺し身、塩焼きとどんな料理にしてもおいしいイサキを狙って船上カメラマンがいざ千田沖へ。
◆25センチ3尾掛け
出船前、早川正晴船長(78)が貸してくれたのは、20号のナイロン製ライン。長さは1・5メートルほどだった「天びんの上に付けなさい。食いが違うよ。イサキは目がいいから、PEの道糸が見えると食わないよ。秘密兵器だから、帰りに返してよ」とクギを刺された。
釣り場は港前の千田沖。「はい、やって下さい。22メートルです」。早川船長の合図でコマセカゴを1メートルごとについている道糸の目印を参考にして指示されたタナ(魚の泳層)まで送り込んだ。ここでコマセをまき約20秒ほど待つと竿先がガクガクと揺れた。追い食いを狙いリールを少し巻くと、さらに強い引きが伝わってきた。約25センチのイサキが3尾掛けで上がってきた。次に早川船長は魚群探知機を見ながら「18メートルでやって」と何度も合図。タナさえ間違わなければ確実にイサキは食い付いてきた。
左舷後方でクーラー満杯にイサキを釣った大津秀敏さん(70)は「この釣りはチームワークが大事だよ」という。一人でも違うタナを釣ると、群れがばらけてしまうのだ。
左舷前方の南房総市の山口一夫さん(79)も好調に釣り続けていた。「(釣ったイサキは)近所に配って、あとはおかずになればいいね」とほかにも良型メジナを釣り上げ笑顔を見せていた。右舷前方では南房総市の星忠志さん(80)は自作の4本バリ仕掛けで4尾掛けのパーフェクト達成だ。
イサキだけではない。佐倉市から来た桜井英樹さん(73)と俵嘉穂さん(75)は、少し太めのハリスを使ってメジナも狙っていた。俵さんは仕事で九州に赴任時、磯釣りでメジナを釣り、そのおいしさから夢中に。「関東には(メジナが釣れる)磯が少ない。船で釣れるから来てます」と狙い通りメジナを3尾仕留めた。
早川船長は「仕掛けを指示ダナまで下ろしたら、少しずつ上げながらアタリを探る。2メートルくらい上まで探ることが大事だよ」とアドバイス。千田沖のイサキは魚影は濃い。釣ってよし食べてよしのイサキは今がベストシーズンだ。(カメラ&ペン・越川亘)
◆イサキ釣りのタックル
▽竿…2~2・4メートル、オモリ負荷50号▽リール…中・小型電動タイプ▽道糸…PE3~4号▽仕掛け…片天びんにサニービシFL60号、直径1・5ミリのクッションゴム30~50センチ、幹糸とハリスは1・5~2号で全長3~3・5メートル、金ムツ9号かチヌ2号3本バリ▽餌…小さく切ったイカの身、バイオベイト
◆めも イサキ釣りの近況、乗合船は千田港三喜丸(TEL0470・43・8293)。乗合船は4時30分集合。料金は1万2000円。コマセ、餌と氷付き。予約制。
このほか以下の船宿でも乗合船が出る。
片貝港源七丸(TEL0475・76・2002)
大原港松栄丸(TEL0470・62・0571)
西川名港竜一丸(TEL0470・29・0605)
洲崎港早川丸(TEL0470・29・1095)