日本ダービー3着健闘アスクビクターモア 田村調教師が燃やした執念

スポーツ報知
ダービーで3着に好走したアスクビクターモア

 6月5日の安田記念をもって春G1東京5週連続開催が終了した。自身は安田記念で◎ソングラインが的中。何とかG1連敗を4で止め、一矢報いることができた。池添謙一騎手が「自分がうまく乗ることができなかった」と悔いたヴィクトリアマイル5着からのリベンジ騎乗には深く感動を覚えたが、やはり一番衝撃を受けたのは日本ダービーだった。

 入場制限が緩和され6万を超える大観衆が見守る中、ドウデュースが武豊騎手とのコンビで戴冠。レース史上最速となる2分21秒9の走破タイムには場内がどよめいた。それだけレジェンドが完璧な手綱さばきで導いた証しだろう。千両役者が史上初となるダービー6勝目を挙げ、大団円に終わったように見える戦いだったが、その陰には頂点までわずかに届かず敗れた馬がいた。

 田村康仁調教師が管理するアスクビクターモアは、7番人気ながらも3着に食い込んだ報知杯弥生賞ディープインパクト記念優勝馬。同レースではドウデュースに初めて土をつける快勝を収めたが、続く皐月賞は5着。人気の盲点となっていた。

 レース後の検量室前で口を開いた田村師は、終始2番手から運んだプランをこう振り返った。「作戦通りだったよ。過去のダービーを全部観て、皐月賞を負けてから(上位人気の)4頭を負かすことをずっと考えていた」。こちらをじっと見て語ったトレーナー。本気で頂点取りを狙っていた目をしていた。続けて「4コーナーで1秒の貯金を作れれば勝てると思っていた。例年だったら勝っている時計。相手が強いとしか思えない。田辺は本当にうまく乗ってくれた」。

 師と鞍上が考え抜いた作戦でアスクビクターモアは2分22秒2で走破した。昨年のシャフリヤールが2分22秒5、20年コントレイルは2分24秒1、19年ロジャーバローズが2分22秒6。コース取りに相手関係や展開もある勝負事とはいえ、もしかして―があったかも知れない。それでも勝者をたたえ、鞍上に最大限の賛辞を贈っていたのが心に響いた。

 思えば本社杯である報知杯弥生賞ディープインパクト記念では本命を打ったものの、ダービーは無印。実力を信じ抜くことができなかった。現在は秋へ向けて放牧に出されて英気を養っているディープインパクト産駒。さらなる成長を遂げターフに戻ってくるのが楽しみでならない。(中央競馬担当・石行 佑介)

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