◆プリンスオブウェールズS・G1(6月15日、英国アスコット競馬場・芝1990メートル)
16年にエイシンヒカリ、19年にディアドラ(ともに6着)でプリンスオブウェールズSに参戦した武豊騎手(53)=栗東・フリー=は右回りで、三角形の特殊な形状のアスコット競馬場のコースを「乗っていて難しいコースではないですよ」と語る。ただし、これは良が条件。「晴れたらそんなに難しくはないけど、雨が降ると一気に馬場が重くなるからね」と16、19年ともに渋った馬場で思うような競馬ができなかっただけに、馬場状態は日本調教馬に限らず、大きなカギを握りそう。
1990メートルの発走地点は、最後の直線を底にした三角形の頂点へ向かって約360メートルの地点。コーナー付近の最低地点『スウィンリーボトム』まで下りが続く。「かなり下りだけど乗りにくくはないね」という。ただ、『スウィンリーボトム』から最終コーナー、直線とひたすら上りで、その高低差は約22メートル(JRAは中山の5・3メートルが最大)。「だらだら上っている感じですね。走っている距離以上にスタミナを奪われていく」といい、だからこそ「道中折り合って楽に走らないと」と、経験を伝える。
「最後はみんなばて合いだね。差すとかそういう競馬じゃなくて、トップレベルの馬でもいかに踏ん張るかという競馬」というのが実感だ。「日本の馬が2000メートルを走るなら2400メートル、マイルを走るなら2000メートルでやれる馬じゃないと」と、スタミナが要求されるとみている。「アップダウンがすごくて、高低差はかなりあるから、タフなレースになりますよ」と締めくくった。