【ヤクルト】逆転に強いヤクルトから感じる「“高校球児”の『あきらめない気持ち』」担当記者が見た

スポーツ報知
1回1死、先制の左越えソロ本塁打を放ちベンチで先発の(右)高橋奎二とタッチする塩見泰隆 

◆日本生命セ・パ交流戦2022 ソフトバンク4―7ヤクルト(11日・福岡ペイペイドーム)

 ヤクルトが11日、交流戦Vを決めた。ヤクルト担当の森下知玲記者が、劇的な逆転を生み出す強さの秘密を「見た」。

 優勝を決めたのは、ヤクルトお得意の逆転劇だった。私が球団担当となり半年たつが、強さの理由はいくつかある。山田、村上の中軸、下位からも得点できる打線、安定した先発陣と鉄壁のブルペン陣。選手の高い技術はもちろんだが、それらに加え、“高校球児”を思い出させる「あきらめない気持ち」ではないか。

 そう感じたのは終盤の集中打で逆転勝ちした2日のロッテ戦(神宮)だ。先発が初回に3失点し、打線は5回まで4安打無得点。普通なら遠い1点に焦りやあきらめムードに陥りそうなところだが、昨季日本一のチームはさすがに空気が違う。

 2死からでも走者が出れば、「ナイスー!」。最前列で仲間を鼓舞していた控え選手から、後ろで打席の準備をしていた山田まで全員がベンチで立ち上がり、声を張り上げ、力強く拳を突き上げる。どんな状況でも仲間を信じ、勝ちにこだわるからこそ、ヤクルトベンチはいつだって覇気がある。交流戦13勝中、逆転勝ちは7度。リーグ戦中から、40歳の青木を筆頭に、22歳の村上もバットだけでなく、常に声でもチームをもり立て、その姿勢は隣に座る20歳の長岡ら若手にも浸透している。

 5月27日の楽天戦(楽天生命)で、塩見が3打席連発を放った際に、突如生まれた親指、人さし指、中指を伸ばした拳銃のような「謎ポーズ」(名前はまだない)。「特に意味はなくて…カッコつけてやってみたら、はやっちゃって」と笑ったが、すっかりチームの定番となった。高津監督も「常ににぎやか。みんなで(野球を)エンジョイしてます」と目を細める。

 「全員が、負けてもまたやるぞ、という気持ちになっている」と村上が実感する通り、チームは交流戦中、連敗は一度もなかった。指揮官が常々、口にする「また明日も勝とう、と思う。それだけ」の意識が浸透している。見据えるのはあくまで、リーグ連覇と2年連続日本一。勝利への執着心と仲間を信じる力がスワローズの強さであり、魅力の源だろう。(ヤクルト担当・森下 知玲)

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