明石家さんま…報知新聞150周年記念インタビュー<3>エンターテイナーの原点はミスター「ここまでこられたのも長嶋さんのおかげ」

スポーツ報知
「150周年おめでとう!」とバズーカクラッカーを飛ばして報知新聞の150周年を祝った明石家さんま(カメラ・竜田卓)

 創刊150周年を迎えた報知新聞。次の節目への再スタートを祝し、明石家さんま(66)が単独取材に応じた。スポーツ紙のインタビューに登場するのは極めて異例。半世紀にわたり日本を笑わせ続けてきた「お笑い怪獣」がエンタメの現状や人生観、親交のある長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督(86)=報知新聞社客員=との秘話などを語り尽くした。(久保 阿礼、増田 寛)

 <2>からつづく

 エンターテイナーとしての原点に挙げるのが、長嶋茂雄・巨人軍終身名誉監督だ。

 「報知新聞と言えば巨人軍でしょ。長嶋さんに憧れて生きてきて、何度もお会いさせていただきました」

 野球の形態模写は小林(繁)さんの印象が強いが、ルーツはミスター。

 「小林さんより先に、僕は長嶋さんの形態模写で話題になった。打席に立つとき股間をぐっと持ち上げるまねとか。ここまでこられたのも長嶋さんのものまねのおかげ。当時のテレビで話題の中心は巨人だった。関西でも巨人ファンは多かったし、テレビ中継も巨人戦が多かったから。村田兆治さん(ロッテ)のまねとか、よほど特徴がないとウケなかった」

 長嶋さんとは91年のNFLスーパーボウルで一緒に現地解説を務めた。

 「長嶋さんと解説して、ご夫妻と会食しました。その時、お二人がちょっと口げんかを始めまして。ああ、長嶋夫妻もけんかをするんだ、普通の夫婦なんだなって。すごく親しみを覚えました」

 特に思い出深いのが、亜希子夫人(07年、64歳で死去)からの指摘だった。

 「奥様に、さんまちゃんって若い時のこの人(長嶋さん)にそっくりね、と言われました。その時、喜ばないといけないのかもしれないけど、喜べなかった自分もいました(笑い)。私生活の長嶋さんに似ているというのは…。野球人としては良い出来なのかもしれないが、人としては? なんて考えて、一人で笑っていましたよ。奥様から見ると、家をほったらかしにしてファンの方へ行ってしまう姿とかが似ているのかなと。でも、お二人は40年近く連れ添っていますからね」

 現役引退後、タレントに転身した長男の一茂さんとTBS系「さんまのSUPERからくりTV」などで共演する機会も多かった。長嶋さんからの独特のアドバイスに感心し、ずっこけた。

 「僕のバラエティー番組を見ていて、野球に置き換えて分析してくれた。『さんまちゃんはストレートで押すタイプだから肩痛めないようにね』って。最初は驚いて、すごいうれしかった。で、『今はストレートが走っているからね。肩壊しちゃうからもうちょっと変化球も、コントロールもね』とも(笑い)」

 サッカーやゴルフ、テニス、バスケットボールなどスポーツ全般に詳しい。自宅にはほとんどのスポーツ中継を観戦できる視聴環境を整えている。

 「全部見られますね。そういう時代になって、ありがたいのか、ありがたくないのか。強制的に見るように仕向けているの?(笑い)。テニスの全仏オープンもある。ゴルフの全米プロが始まった時から我が家は大変。NBAもそう。スポーツ観戦はクセになる。サッカーは思いを込めて見てしまう。野球はマー君(楽天・田中将大投手)の投げた試合は必ず見て、本人にLINEをしたり。どうしても力が入るから、手を抜いて見たいね」

 海外サッカーにも詳しく、11月のW杯カタール大会は、日本テレビのスペシャルサポーターに就任した。

 「この前、(サッカー日本代表MF)堂安(律)とご飯を食べる機会があって。いつもなら日本代表は流し見ですが、堂安が出るなら真剣に見る」

 87年に大阪球場で行われたMBSラジオ「ヤングタウン」野球大会。サードで出場し、ゴロを素手で捕って強肩を披露した。日本ハムのビッグボス・新庄剛志監督(50)がインスタグラムに「さんまさんがこんなに野球がうまいとは」と当時の映像付きで投稿し、話題となった。

 「生まれ変わったら、さんまをやるのは楽。違う自分も見てみたい。スポーツで成功できるんじゃないか。運動神経は良いので。身長180センチ(実際は172センチ)あれば、プロ野球かサッカーをやっていたかも。野球ならもちろんサード。ヤンキースのジーターみたいになりたい。え…ジーターはショート? ジーターのようなショートは無理なのでサードで」

 分刻みのスケジュールの合間を縫ったインタビューは、30分の予定時間をオーバーするリップサービスで幕を閉じた。「どうもどうも! ほならなぁ~」。あのテンション、あの甲高い声で、お笑い怪獣は次の収録へ向かっていった。

 ◆明石家 さんま(あかしや・さんま)本名・杉本高文。1955年7月1日、和歌山県生まれ。66歳。74年に2代目・笑福亭松之助さんに入門。76年に芸名・明石家さんまとしてデビュー。86年にゴールデン・アロー賞芸能賞を受賞。99年、日本で最も露出の多いテレビスターとして「ギネス世界記録」に認定。現在、レギュラー番組はテレビ4本、ラジオ1本を抱える。身長172センチ。血液型B。

 ◆感激の「しょうゆうこと」締め

 入社5年目。まさか、さんまさんをインタビューする機会に恵まれようとは。数々の芸能人を取材してきたが、緊張でほぼ内容を覚えていないのは初めてだ。

 思っていたより小柄だったが、貫禄はさすが。大きくよく通る声は不思議と威圧感を感じさせない。取材の最初から最後まで、あの高い声でしゃべりっぱなし。でも、私の緊張を察してくれたのか、終始笑顔で質問以上のエピソードを披露してくれた。

 取材が始まる前、カメラマンが机にキッコーマンのしょうゆの瓶を置いた。持ちギャグ「しょうゆうこと」をやってくれるかも…と、ひそかに期待していたからだ。ところが、反応がないまま取材は終了。どうしようか思案していると、「気になってたんや~」と手にしてポーズを決めてくれた。「このしょうゆ瓶なんぼ? 760円!」と突っ込んだ視点もさすが。一生の思い出になった。(増田 寛)

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