C大阪退団の乾 態度硬化は国際ルール理解不足のクラブ対応も原因か 記者の視点

スポーツ報知
乾貴士

 C大阪は9日、MF乾貴士との契約解除を発表した。乾は4月5日の柏戦で途中交代の際に、小菊昭雄監督らに暴言を吐き、他にもチームの規律、秩序を乱す行為があったとして、公式戦6試合の出場停止、5月14日までの練習参加禁止の処分を科された。処分が解けた後も全体練習には参加せず、最終的には両者合意の下で契約解除し、退団が発表された。

 サッカー界をにぎわせた一件は退団という形で着地したが、不明瞭な点が残される。謝罪、和解が済み、処分が解けた後も、なぜ乾は練習合流を望まなかったのか―。「居場所がなくなった」という解釈が大半だが、理由を把握しているはずのC大阪は説明していない。乾本人の口からも語られていない。この点について「C大阪が公に説明できない理由がある」と見る関係者は多い。

 あるJ1クラブの強化責任者は「練習に参加する権利は、選手の権利として守らなければいけない。どんな理由であれ、どんな行為があったとしても、長期間の(練習参加禁止)処分はその権利を侵害することになる」と指摘する。日本サッカー協会関係者も「行き過ぎた処分という印象だ。(長期間)練習参加させないことは、海外では(選手への)虐待と受け取られることも少なくない」と明かす。

 国際サッカー連盟(FIFA)は、クラブが所属選手に対し、ペナルティーを科す場合、1か月を超えるケースは選手側に契約を解除する権利があるというスタンスを取る。「練習に参加する権利は、選手にある」という考えに基づく。

 乾が、ペナルティーを受けるべき行動を起こしたことは間違いない。この行動がなければ、問題にもならなかった。ただ、対応したクラブが範疇(はんちゅう)を超える罰を与えたことも事実。乾がこれを理由に態度を硬化させたかは不明だが、両者にとって不幸な結論に至った経緯に、クラブの国際ルールへの理解不足から来る対応があった可能性が高い、と見る方が自然だ。

 長友佑都、大迫勇也、酒井宏樹ら海外組がJリーグに復帰するケースも増えてきた。成熟した欧州でプロ意識を持ってプレーした選手たち。彼らとどう向き合い、チームの力としていくか。Jクラブには「感情」や「親会社」基準ではなく、プロとしての判断が求められる。(サッカー担当キャップ・内田知宏)

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