東京五輪卓球女子団体銀メダルの石川佳純(全農)が5日、奈良・天理市のなら歴史芸術文化村で「石川佳純 47都道府県サンクスツアー in奈良」を行った。石川が全国各地を訪ね、卓球の魅力やスポーツの楽しさを伝える交流イベントの第3弾。県内の幼稚園年長から中学3年生まで約60人が参加した。
この日は3部制で、第1部では小学3年生以下の子どもたちと卓球アートの体験に取り組んだ。ボールに絵を描き、一緒に試行錯誤しながら組み立てたコースで転がして遊ぶなど「初めてで楽しかった」と笑顔が絶えなかった。
第2部は年齢に応じて3つのクラスに分けて卓球教室を開催した。過去2回と同様に参加者全員とボールを打ち合えるように台を回ってラリーやサーブを出すだけでなく、「毎回ちょっとずつ良かったところ、次はこうしたいなっていうところを生かして、工夫をしながらやっていけたら」という思いから、未経験者も楽しめるように的当てのチャレンジも取り入れた。
第3部は奈良県の荒井正吾知事とのトークショー、ジャンケン大会を行った。イベント前には東大寺を参拝するなど、古都・奈良の歴史や文化にも触れた石川は「子どもたちの笑顔を見られてすごくうれしい。活躍してる姿を見て欲しいなって気持ちになった」と充実の表情。トークショーでも子どもたちに「また世界で活躍する姿をみんなに見てもらいたい」と誓い、気持ちを新たにしていた。
イベント後には取材に応じ、24年パリ五輪の代表選考に“打倒・中国ポイント”が盛り込まれることへの見解を語った。日本卓球協会は4日の理事会で、来年1月30日から約1年間に開催される国際大会で世界ランク上位3人の中国選手に勝利すれば、独自の選考ポイントを追加で付与することを決定。長く日本代表を引っ張ってきた石川は「中国選手に勝って評価されるというのは、私はいいことだと思います。トップ3に勝ったら評価されるべきだし、みんなのモチベーションになると思う」と趣旨には賛同した。
一方で、選考レースがスタートした後で基準が変更される形にもなった。今月1日に出場選手選出基準が発表された8月のTリーグ個人戦でも、既に終了している大会が事後に選出対象となったケースなどを踏まえ「試合が終わった後にとか、後付けで決まることはない方がいい」との意見も強調した。選考レースは今後も続く。選考大会への出場要件も含め、選手に不公平感が生まれない形で進むことを切に願っていた。