チューリップ50周年ライブで体感した…変わらない「心の旅」

スポーツ報知
ライブを行った(左から)「TULIP」の上田雅利、姫野達也、財津和夫、宮城伸一郎

 「心の旅」「虹とスニーカーの頃」などのヒット曲を持つ「TULIP(チューリップ)」が現在、デビュー50周年記念の全国縦断ツアーを展開中で、6月4、5日と東京公演(東京国際フォーラム)を開催した。

 芸能デスクだった10年前。40周年のツアーを前に、リーダーの財津和夫氏(74)にインタビューする機会を得た。中学時代の70年代後半から「チューリップ」を聴き始め、いわゆる“リアルタイム”というよりも、後発のファンの部類だったが、発売されていたアルバムを小遣いを貯めて購入し、郷里の甲府市で開催されたコンサートには常に足を運び、82年8月、東京・よみうりランドを借り切って行われた「1000thコンサート」にも参加した…なんていうことを、インタビューが始まる前、財津さんに懸命にアピールしたことを思い出す。

 インタビュー時、財津さんに「デビュー当時は40年後もステージに立っているとは思わなかったでしょうね?」と聞いた。

 「今は音楽的なつながりというより、腐れ縁というか、同じ釜の飯を食った間柄―という感じでステージに立つくらいの方が楽しいんじゃないかな、と。ああでもない、こうでもないと真剣に音楽の重箱の隅をつつき合うと、これは大変な事になる。楽しむ事だけを考えてやっていこうと」と、財津さんらしい表現で話してくれた。

 50年後の今回も、ボーカル、ギターの姫野達也(70)、ドラムス・上田雅利(71)のオリジナルメンバーに、第2期からのベース・宮城伸一郎(66)の各氏という、いつもの顔触れで再集結。私は4日の公演に足を運んだが、リードギターの安部俊幸氏が残念ながら14年に鬼籍に入ってしまったものの、サポートメンバー3人を従えて、約2時間半(休憩の15分を含む)、懐かしい楽曲と息の合った(時には脱線した)MCで楽しませてくれた。

 ツアー前の雑誌の取材で、財津さんは「今回はファンの皆さんが知っている曲ばかりを演(や)ります」と話していたが、馴染みのナンバーだけでなく、「おお、この曲を演るのか!」と個人的にはビックリしたナンバーも含まれていた。5年前に大腸がんを患った財津さんは元気いっぱい。頭を少し傾けてハイトーンを発声する仕草もそのままで、本当にうれしかった。

 東京公演2日目の6月5日は、50年前に「魔法の黄色い靴」でデビューした記念日。また6日はバンドを世に送り出した、所属事務所「シンコーミュージック」の社長で、ファンからも「クサショーさん」の愛称で親しまれた草野昌一さんの命日(享年74)にあたる。財津さんはMCでそのことに触れ、改めて感謝の気持ちを表していた。

 宮城さんを除くメンバーは、もうおじいちゃんになったそう。大いなる時の流れを感じながらも、目を閉じて聴く財津さん、姫野さんのボーカルは、LPを擦り切れるほど聴いた40年前と少しも変わらず、思わず目頭が熱くなった。

(元芸能デスク・名取 広紀)

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