◆第53回選手権大会茨城県支部予選◇中学生の部▽決勝 波崎ボーイズ3―2つくば学園ボーイズ(5月28日・笠間市民球場)
各地で夏季全国大会の支部予選が開催された。茨城では決勝が行われ、創部16年目の波崎ボーイズがつくば学園ボーイズをサヨナラで下して8年ぶり4度目の出場を決めた。
フルカウントからのストレートが内角へ大きく外れると、主将の林航大がガッツポーズを決めて一塁へと向かった。同点の7回、波崎は先頭・酒井陽大の中前打から2死満塁。押し出し四球で8年ぶりの夏切符をもぎ取った。「春の予選に負けて練習がきつくなったが、チームの仲間がいたから耐えられた。その仲間がつないでつくったチャンス。絶対に自分が決めるつもりでした」と林はあふれる涙も拭わず、言葉を絞り出した。
苦しい展開でも諦めなかった。エース同士の投げ合いで先発・仲本寛がキレのある球を低めに集めて好投したが、打線は4回までノーヒット。5回に守りのミスから先取点を許すとその裏、1死二塁から8番・高瀬啓陸が「真っすぐに張ってコンパクトに振れた」と初安打を右中間に運んで追いついた。6回は2番手・安藤渉が3四球と暴投で1点を失ったが、またもその裏、相手2番手から林が右翼線三塁打を放ち、続く高木碧斗の適時内野安打で同点に。3番手・鈴木蓮が7回を3者凡退で抑え、サヨナラ劇を呼び込んだ。
「やっと勝てた。8年は長かったです」と真田裕司監督(47)。2009年春から4季連続で全国大会に出場するなど強さを誇った強豪も、ここ数年は少子化の影響で部員集めに苦しみ、一時は「休部も考えた」(真田監督)という。現チームも各学年8人ずつだが、4番の高木は「励まし合える団結力がある」と強調した。
4度目の夏全国は初勝利が懸かる。「全国大会でも勝てるようにチャンスをしっかりものにできる練習をします」と林主将。本当の戦いはこれからだ。