【番記者の視点】4―4壮絶ドローで首位浮上の鹿島 一石を投じた土居聖真、染野唯月のゴール

スポーツ報知
鹿島・土居聖真

◆明治安田生命J1リーグ▽第15節 鹿島4―4鳥栖(25日・カシマスタジアム)

 止むことはないと思われた手拍子は止まり、カシマスタジアムは静まり返った。3点を先行された鹿島は3点を返して迎えた後半ロスタイム5分、FW染野唯月のゴールで逆転に成功した。大逆転劇完遂まであと1、2分。だが、ラストプレーとなったCKから鳥栖に同点ゴールを決められた。3失点からの4得点。4失点目は、最年長37歳のGKクォン・スンテの判断ミスに起因した。98分の結末が4―4。アップダウンの激しい道のりを一緒に歩いてきた人たちには、現実を受け入れる時間が必要で、長い静寂になって表れた。

 鈴木優磨は「このチームにいる以上、勝ち点2を失ったという意識でいてほしい」、「ラストワンプレーでやられるのは、弱いチームがよくやること」、「最悪な前半だった」と勝ち切れなかったことを悔やんだ。前半20分を過ぎたあたりから、強度で上回られ、セカンドボールを拾われた。鹿島が良い形でボールを持っても鳥栖の選手がまとわりつき、プレーを切られた。3点を先行される前から強度勝負では分が悪かった。鹿島の選手たちは重く映った。

 レネ・バイラー監督は前節・浦和戦から先発メンバーを据え置いた。一般的に回復できると言われる中3日。ただ、直近2試合のつながりで見ると違う側面が見えてくる。浦和戦の終盤、足が止まった主力をピッチに残し、相手に押し込まれたまま試合終了を終えた。交代枠を余らせた理由を問われた指揮官は「良い流れで、良い感覚を持っていた」と説明したが、ピッチの状況とはかけ離れていた。

 2節前の札幌戦が尾を引いているという。4点リードを受け、早い時間帯から交代選手を送り出したが、チームは停滞した。「代わった選手たちがチーム状況を悪くしてはいけない」と珍しく厳しい言葉を向けた。首位争いをしているようなチームは、ただでさえメンバーを代えにくいが、今は自信をもって送り出せる選手がそこまで多くない、という流れが存在した。

 鳥栖戦では途中出場の土居聖真が同点ゴール、染野がJ1初得点を記録した。鈴木の言葉を待つまでもなく、染野は「勝ち切れなかったところはチームで追求してやっていければ」と言った。11人に次ぐ選手の重要さが増す夏場がすぐそこまで迫る中、2人の得点は3試合の流れに一石を投じるゴールでもあった。(鹿島担当・内田知宏)

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