1990年日本ダービー「伝説の一日」 19万人超え「ナ・カ・ノ」コールの大きなうねり

スポーツ報知
ウィニングランをする中野栄治騎手とアイネスフウジン(中央)

 6月10日に創刊150周年を迎える報知新聞の特別企画「スポーツ報知150周年 瞬間の記憶」。今年の日本ダービー(29日、東京競馬場・芝2400メートル)を前に振り返るのは、「19万人のナカノ・コール」です。32年前の1990年日本ダービーで世界レコードとなる19万6517人が、勝者のアイネスフウジンと中野栄治騎手をたたえた伝説の一日となった。

 5人のカメラマンがゴール前、スタンド、正面、内馬場、4コーナーから狙ったあのレース。3回目の日本ダービー取材だった私は、ゴール板前の外ラチ沿いから撮影していた。

 1周目のゴール前で先頭に立ち、そのまま逃げ切った3番人気のアイネスフウジン。初のダービージョッキーとなった中野は派手なガッツポーズもせずに私の前を通り過ぎ、スピードを緩めながら1コーナーに消えた。体の向きを反転し、ウィニングランのため戻ってくるアイネスフウジンと中野を待ち構える。1コーナーの手前にようやく姿が見えたころ、背後から異様な気配を感じた。

 スタンドから起こった手拍子と「ナ・カ・ノ」コール。初めは小さかったが、まるでテレビのリモコンの音量を徐々に上げていくように競馬場を包み込み、スタンド前を通過するころには19万を超える大きなうねりとなった。中野は何度も右手を上げて応え、翌日の紙面は内馬場から撮影された客席バックのこのシーンが飾った。

 コロナ禍の中で一昨年は無観客、昨年は5000人弱の入場者で行われた日本ダービー。今年は7万人まで緩和されるが、依然として大声を出しての応援は自粛が促される。一日でも早く、勝者をたたえるコールをまた肌で感じたい。(写真部・池内雅彦)

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