◆JERAセ・リーグ 阪神4―0巨人(22日・甲子園)
最後まで守ったマウンドの上で、伊藤将は頭上に掲げたグラブをたたいた。プロ2年目で初完封。新型コロナ感染からの復帰戦で今季初白星を手にした。「しびれました(笑い)。甲子園で白星を取れてよかったです」と笑みを浮かべた。
悪夢を断ち切った。前回登板の4月6日のDeNA戦は1―0で完封勝利目前だったが、9回2死から同点にされ、この回で降板した。あの日と同じ「あと一球」の手拍子が響き渡る甲子園。「2度は失敗できない。思い切って投げよう」。9回2死一、三塁、こん身の直球で中田を中飛に仕留めた。「前回のことがファンの方もよぎったと思う。自分はよぎった。完封できて良かった」。8安打されながら無四球で、プロ2度目の完投を飾った。
甲子園での伝統の一戦で阪神の投手が完封勝利を挙げるのは15年9月28日の藤浪以来。チームは今季3度目の完封勝利で巨人に3カード連続で勝ち越し。借金12を抱えるが、巨人にだけは7勝5敗と勝ち越している。「(コロナ感染で)1か月間、1軍でプレーできず、すごく悔しさもあった。その分チームに貢献したい」と背番号27。矢野監督も「最高の形で(復帰の)スタートを切ってくれた」と、頼れる左腕の復帰を喜んだ。
(森脇 瑠香)