◆JERAセ・リーグ 阪神4―0巨人(22日・甲子園)
早いものでペナントレースの序盤戦が終わった。ちなみに交流戦からオールスターまでが中盤。球宴以降が終盤の戦いとなる。
シーズン最初の節目で巨人は首位ヤクルトに1ゲーム差の2位。御の字だ。歴史的な開幕ダッシュを決めただけに垂れっぷりは否めない。それでも踏みとどまってくれた。ゼイタクを言えば切りがないよ。
何しろ想定外の災難続きだった。菅野に坂本、吉川までが呪われたように登録抹消。頼みの岡本さんも一足早く梅雨入りしてしまった(そろそろ明けるか)。
ただ、序盤戦のキーワードは主軸の動向よりも「プロの壁」だ。開幕直後の快進撃。その立役者は山崎伊や堀田、赤星ら「ぶっつけローテ組」だった。
そして彼らが厳しい洗礼を受けると同時にチームも急失速。良くも悪くも、新戦力の浮沈が全てとシンクロしている。
だから序盤のMVPは大勢しかいない。ベンチも分かっている。3連投回避のためベンチから外す「VIP待遇」。守護神不在の日は不安しかないけど、中盤も終盤も投げ続けてもらうための最善策だ。
そんなわけで交流戦前ラストゲーム。伊藤将の前に打線が沈黙した。昨年は同じ阪神の高橋に広島の床田から食らっている。「初完封は巨人から」―。今やセ・リーグ有望左腕の合言葉です。
いや、よその家のサウスポーをうらやましがっている場合じゃない。「優貴は悪くないよ。やっぱり優貴に投げてもらった私の責任よ」。試合後の原監督だけど…怖っ!
なでなで―注射―焼きごて―論ずるに値しない―私が悪い、私の責任―。これが「タツノリ怒りのファイブステップ」だ。
このフレーズを浴びせられて再び1軍のマウンドに立てた投手はいない…なんてウソだけど、しばらくの間は「背番号47」の姿を見られないと思う。
確かにフォローしようがない投球だった。でも、まだペナントは折り返してもいない。お前さんが戻ってこないとキツいんだ。指揮官に「投げさせなかった私が悪い」と懺悔(ざんげ)させてみろよ…というのは、ちょっと無理な注文かな。