【日本ダービー】福永祐一「皐月賞馬で臨めるのはなかなかない」ジオグリフで史上初ダービー3連覇に挑む

ジオグリフを初騎乗で皐月賞Vに導いた福永(カメラ・高橋 由二)
ジオグリフを初騎乗で皐月賞Vに導いた福永(カメラ・高橋 由二)

◆第89回日本ダービー・G1(5月29日、東京・芝2400メートル)

 第89回日本ダービー・G1は29日、東京競馬場の芝2400メートルで開催される。中央競馬の上半期の祭典で、前人未到の3連覇に挑戦するのが福永祐一騎手(45)=栗東・フリー=。初騎乗の皐月賞で見事栄冠に導いたジオグリフとともに、まずは自身2年ぶりのクラシック2冠に挑む。最近4年間で3度のダービー制覇を果たした「令和のダービー男」。今年も堂々の主役だ。

 高ぶることなく、ほどよい緊張感を保ちながら、福永は本番を迎えようとしている。前人未到のダービー3連覇へ、皐月賞を制したジオグリフとの挑戦。「3連覇のチャンス、権利があるのは自分だけ。それを皐月賞馬で臨めるのは、なかなかないこと。いい結果に導けるように取り組んでいきたい」。静かに闘志を燃やしている。

 忘れられない歓喜の瞬間がある。「勝ちたくても勝てなかった。あの時ほどの感動はなかなかない」。18年ワグネリアンでの初制覇。デビュー23年目、19度目の挑戦でついにダービージョッキーの称号を得た。天才と呼ばれた元騎手の父・洋一さんも、落馬事故で引退するまで7度挑戦しながら手が届かなかった“福永家の悲願”だった。初挑戦で緊張感にのまれ、14着に終わった98年キングヘイロー。13年のエピファネイアは半馬身及ばなかった。悔しさを糧にし、乗り越え、勝利で“呪縛”から解放された。

 今回のコンビはジオグリフ。初騎乗の皐月賞で、最高の結果を出した相棒だ。「大きな武器というよりは、弱点が少なめの馬。操縦性が高いし、長くいい脚を使える。競り合いになっても強いし、器用さもある」。昨年12月に香港で落馬負傷した影響などもあり、クラシックを戦うパートナーが決まっていなかったなか、直前に回ってきたチャンスをものにした。

 「限られた時間のなかでいかに馬を把握し、ベストな選択を見つけられるか。皐月賞ではそれをうまく実行できた」と振り返る。「ダービーになると器用さよりも、絶対的な能力値の高さが求められる。あと一瞬の切れ。そこでどう戦うか」と課題も口にするが、今回も自身の経験をもとに、最善のレースプランを組み立てるつもりだ。

 ダービーに特別な思いこそあるが、3連覇については「ちょっと意識するぐらい」と平常心は揺るがない。この日のオークスではスターズオンアースが2冠馬となった。牡牝の2冠馬誕生となれば、自身がコントレイルを3冠馬に導いた一昨年以来2年ぶりだ。「令和のダービー男」がジオグリフを頂点に導き、また一つ、新たな歴史を作る。(戸田 和彦)

 ◆福永のダービー3勝
 ▽18年 5番人気ワグネリアンで差し切りV。柴田政人元騎手の史上最多に並ぶダービー挑戦19回目の初勝利で、父・洋一元騎手が成し遂げられなかった親子2代の悲願を達成。「フワフワした感じ。初めての気分です」
 ▽20年 単勝1・4倍の1番人気コントレイルで史上7頭目の無敗2冠。コロナ禍のため76年ぶりの無観客となった祭典を制し、馬上からスタンドに深々と一礼。「こういったなかで競馬をさせてもらっている感謝を表したかった」
 ▽21年 4番人気シャフリヤールに騎乗し皐月賞馬エフフォーリアを写真判定の末に鼻差で破る。深い信頼関係で結ばれた藤原英調教師とのタッグでは初Vで、騎手3人目の連覇。「競馬の神様がどちらにほほえむか、そんなレベルの差でした」

 ◆福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年12月9日、滋賀県生まれ。45歳。96年3月2日に栗東・北橋修二厩舎からデビューし、G1は99年桜花賞のプリモディーネで初制覇。22日現在で歴代4位のJRA通算2554勝を挙げる。重賞は20年コントレイルの無敗3冠など、G134勝を含む159勝。ほか海外G15勝。妻はフリーアナウンサーの松尾翠。160センチ、52キロ。

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