モロッコ代表ハリルホジッチ監督インタビュー 日本戦は「特別」W杯決勝トーナメントで再会「信じている」

スポーツ報知
ハリルホジッチ氏

 サッカーのカタールW杯開幕まで、21日であと半年になった。元日本代表監督で、2大会連続6度目の出場となるモロッコ代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(70)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じた。日本、モロッコともに1次リーグ(L)を突破すれば、早ければ決勝トーナメント(T)1回戦で対戦する可能性があり「非常に特別なものになる」と実現に期待。1次Lでスペイン、ドイツと同組になった日本に向けては「突破できると信じている」とエールを送った。(構成=斎藤 成俊)

 電撃解任から約4年がたった。失意を乗り越え、モロッコ代表監督としてW杯に挑むハリルホジッチ氏は今、日本代表との“再会”を心待ちにしている。

 「まず、1次Lを突破できたら日本にも、モロッコにとっても大成功といえる。そして両チームの試合が実現したら、私にとっては非常に特別なものになる」

 ハードルが高いことは重々承知だ。日本は優勝経験のあるドイツ、スペインと、PO(ニュージーランドVSコスタリカ)勝者と同組となった。モロッコはFIFAランク2位のベルギー、ロシアW杯準Vのクロアチア、成長著しいカナダと同居。対戦実現には互いに“ジャイアントキリング”が必要だ。

 「モロッコは非常に厳しい。日本は非常に、非常に厳しいグループに入った。しかし、W杯での試合は全てが可能だ。それを信じて準備することだ」

 ハリル氏は、アルジェリア代表を率いた14年ブラジルW杯で1次Lを突破し、決勝T1回戦でドイツと対等に渡り合い、延長戦まで持ち込んだ。1―2で敗れはしたが、のちの優勝国を苦しめたチームとして世界から称賛を浴びた経験を持ち、言葉には重みがある。

 「日本、モロッコ両チームが1次Lを突破できると信じているよ。私はモロッコの監督だから、モロッコの成功を(一番に)願うが、これまで関わったチームに対しては、たとえ離れても、いつも、より良い成績を願ってきた。もちろん、日本代表にも今まで以上の成績を残してほしいと思っている」

 コートジボワール、アルジェリアをW杯出場に導いた手腕を持つハリル氏は15年3月、日本代表監督に就任した。ロシアW杯アジア予選を勝ち抜き本大会出場を決めたが、大会約2か月前の18年4月9日、選手とのコミュニケーション不足などを理由に解任された。コートジボワールに続き、W杯を前に任を解かれる想定外の事態だった。納得はできず、日本サッカー協会を提訴(後に取り下げ)するほどだったが、日本が嫌いになったわけではない。

 「今でも日本人選手の試合は追跡している。日本を離れても選手から電話やメッセージをもらうんだよ。Jリーグは見ているし、代表戦もオーストラリア、サウジアラビア戦は見た。私が関わった選手も多いからね。さまざまなことによって、ああいう形で日本代表を離れたが、選手は関係ない。だから、以前と変わらず日本代表には愛着を持っている」

 最後に日本のサポーターに対してメッセージを送った。

 「私は一度だって日本のことを忘れたことはない。いたときも、離れてからも応援メッセージをいただいてきた。3年半、日本という素晴らしい国で過ごし、本当に幸せな時間だった。別れは非常に悲しいものになってしまったが『それも人生か』と今は思う。だから、これからも応援してくれた日本代表サポーターへの友情と愛情を持ち続けるよ」

 ◆バヒド・ハリルホジッチ 1952年5月15日、ボスニア・ヘルツェゴビナ生まれ。70歳。旧ユーゴスラビア代表FWで82年スペインW杯出場。フランス1部ナントで活躍し87年に引退。アフリカ、フランスのクラブなどを指揮し、2008~10年にコートジボワール代表監督。11年からアルジェリア代表を指揮し、14年ブラジルW杯で同国初の16強。八百長疑惑で解任されたアギーレ氏の後任として15年3月に日本代表監督に就任。18年4月の解任後はナントを経て、19年8月からモロッコ代表を率いる。

 ◆14年ブラジルW杯決勝T1回戦(6月30日、ポルトアレグレ)

 ドイツ2(0―0、0―0、延長1―0、1―1)1アルジェリア

 得【ド】シュールレ、エジル【ア】ジャブ

 1次Lでベルギー、韓国、ロシアと同組となったアルジェリアは、ベルギーに次ぐ2位で決勝Tに進出。ボール保持率60%を超えるドイツに対して、堅守速攻で勝負した。鋭いカウンターで前半はペースを握ったが、ドイツGKノイアーの前に得点は奪えず。後半30分を過ぎると、イスラム教徒の選手たちは日中は飲食できない「ラマダン(断食月)」のため疲労の色を見せたが、気迫を前面に対抗して0―0で90分を終えた。

 延長に入ると地力に勝るドイツが前半2分にシュールレ、後半15分にエジルが得点。それでも諦めないアルジェリアは、ロスタイムにジャブが1点を返す意地を見せた。世界ランク22位のアルジェリアがのちに、大会を制したドイツに臆することなく挑んだ姿は、多くのファンの記憶に刻まれた。

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