【星一筆】攻める変化球

スポーツ報知
力投する先発の菅野智之(カメラ・頓所美代子)

◆JERAセ・リーグ 巨人2―1広島(19日・東京ドーム)

 優勝争いが佳境の夏場所。興味深いのは宇良だ。反り技が得意な技巧派から、体重を増やして押し相撲に転身した異色の力士。野球なら変化球投手が速球派になるようなものだろう。このまま技と力のハイブリッド化に成功したら面白い。

 東京Dでは菅野と九里の投げ合い。この2人はまさにパワーとテクニックを兼ね備えた球界を代表するハイブリッド右腕だ。32歳と30歳。まだまだ力勝負もできるけど、円熟の投球術でアウトも稼げる両者の味わい深い投手戦だった。

 どちらも無死一、二塁のピンチを招いた2回。これまた同じように次の打者を併殺で仕留めた。ただ、菅野の方は最後に野間を軽くいなそうとしたスライダーが高く浮いて失点。対する九里は大城を真っ向勝負の内角直球で見逃し三振と対照的な結果になった。

 先手を許した菅野だったが、その後はまさに球種のデパート大売り出し。9回途中までの127球で、直球での空振りはゼロだった。でも、それが小手先の投球に見えない。6回に2死一塁で4番・マクブルームを迎えると、内角へのツーシームを2つ続けて三ゴロ。ベンチに戻りながら大城に向けて笑顔でグラブを突き出した姿はまさにエースの貫禄。変化球で“かわす”のではなく“攻める”技術にしびれた。

 忘れかけていた桑田理論の「135球完投」にはわずかに届かなかった。それでも、フルスロットルの真っすぐで空振りを奪わずに手にした今季5勝目は、新境地へのチャレンジに満ちていた。

 ここ一番での力勝負に、フォークみたいに沈むツーシームやチェンジアップ(実際挟んでる)で、こちらも難攻不落感たっぷりだった九里だが、3回には吉川、7回には中山が、タイミングを崩されながらもタイムリー。2人とも貴景勝に土俵際で逆転勝ちした宇良みたいな粘り腰だった。ライトくん、初1面おめでとう! ページをめくれば「坂本フリー打撃再開」の記事で、現実はなかなかシビアだけど、先輩がゆっくり万全で戻ってこられるように頑張って。

巨人

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