【番記者の視点】G大阪ユースの18歳“ガンバの南野” 先発デビューで語った目指すべき姿

スポーツ報知
18日の鹿島戦で後半、精力的にプレーするG大阪・南野遥海(中)

◆YBCルヴァン杯 ▽1次リーグA組第6節 G大阪1―3鹿島(18日・パナスタ)

■ベルナルド・シルバになりたい

 試合後のミックスゾーン。トップチームでの初先発を果たした18歳FW南野遥海に「どんな選手になっていきたいか?」と聞いた。すると「僕は点を決めたいので。少ないチャンスを決めきる選手が求められている、と思います。それ以外にも、海外で言ったらベルナルド・シルバ選手のような、走って戦う選手になりたい」と返ってきた。メッシやハーランドではなく、マンチェスターCで攻守に貢献するポルトガル代表MFを挙げたことは意外だった。

 高校3年生でG大阪ユース所属、左利きのストライカーとして年代別の日本代表に名を連ねる南野。コロナ陽性者の7人が離脱するチーム事情と、すでに1次リーグ敗退が決まった中での消化試合ということもあり、途中出場でJ1デビューを果たした14日の柏戦に続き、トップで先発のチャンスが巡ってきた。

■宇佐美や堂安輩出のユース所属

 試合はJ1首位を走る鹿島との差を見せつけられた完敗。2トップの一角に入った南野も鹿島DF関川のマークに苦しみ、攻撃面での良さは十分には発揮できなかった。それでも前半29分、関川との競り合いでボールがゴール前に流れると、そのまま足を止めずにプレスに向かい、相手クリアをブロック。ボールを奪い返し、左足でシュートに持ち込んだ。惜しくも枠をとらえることはできず「あそこで決めきるか決めないかが選手の価値だと思うので、ああいうのを決めきりたいと思います」と悔しがった。そう語る表情に、先発デビューした喜びや満足感などは一切感じられなかった。

 アタッカーの育成に定評のあるG大阪ユースは、かつてはFW宇佐美、近年もMF堂安=オランダ1部・PSV=やFW食野=ポルトガル1部・エストリル=らを輩出。今季もプロ1年目、南野の1学年上に当たるMF中村仁郎が、トップチームでポジションを奪おうとしている。センスや技術に秀でたタイプが多く、彼らはデビュー当時、守備の強度や連続性に課題を抱えながら、経験を積む中でプロの水に慣れていった。

■「足元」あると思わない→運動量で貢献

 一方で南野は「自分は足元(の技術)があると思っていないので、走るとか、他の選手にはできないことを徹底してやっていくことは求められる」と語っていた。前に挙げた選手たちと比べると、技術的にはまだ粗削り。ただ守備での2度追いなど、プレーのインテンシティーはこの日の79分間でも発揮していた。片野坂知宏監督も「そこは(南野)遥海の良さでもありますし、あれだけチームに貢献してくれるというところは、すごく今日のゲームで助かった部分も大きい」と評価。ともに先発したユース所属のMF桑原陸人とともに、さらなる成長に期待をかけた。

 南野が名前を挙げたベルナルド・シウバは、高い技術を持ちながら、足を止めない運動量で攻守の至るところに顔を出し、チームに貢献するオールラウンダー型のMFだ。ストライカーの南野は、ポジションは違えど世界屈指のビッグクラブで欠かせない存在感を放つ27歳を「あまりサッカーを知らない人には目立たないし、インパクトは強くないかもしれないけど、ああいう選手がいるから試合に勝てると思うし、ああいう選手になりたいと思います」と理想像に挙げていた。

■大阪は 北の南野 南の北野 リバプールにも 南野がいる

 今季、G大阪はJ1リーグで1試合平均のスプリント回数が18チーム中17位(5月18日現在)と不足している。強度の高いランニングを攻守で繰り返すことができるFWは、今のチームに欠けているピースだ。短く刈り込まれた頭髪もあり、どこか格闘家のような雰囲気を醸し出す高校生FWが、今季中にもリーグ戦で抜てきされる可能性は十分に感じた。ともに取材した経験豊富な先輩記者は「いい面構え、してますよね」とほめていた。その意見にも激しく同意した。

 次節、リーグ戦で対戦するC大阪では、南野と同学年のFW北野がすでにルヴァン杯で3ゴールを挙げている。南野も「正直、北野選手と甲府の内藤選手は結構意識している」と語っていた。大阪の南側にあるC大阪の北野と、北側にあるG大阪の南野。さらに南野と言えば、C大阪育ちの有名人がおり、ややこしいことこの上ない。ただそんな複雑さも、新たなライバル関係のスパイスになるのでは、と妄想を膨らませている。(G大阪担当・金川誉)

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