【巨人】中島宏之、逆転サヨナラ打で宇都宮に恩返し「何とかヒーローになったろう」自主トレした思い出の地

サヨナラ打を放った中島宏之は宇都宮タオルを手に笑顔を見せた(カメラ・相川 和寛)
サヨナラ打を放った中島宏之は宇都宮タオルを手に笑顔を見せた(カメラ・相川 和寛)
9回無死満塁、逆転サヨナラ打を放ち中田(奥)に祝福される中島(手前は湯浅=カメラ・相川 和寛)
9回無死満塁、逆転サヨナラ打を放ち中田(奥)に祝福される中島(手前は湯浅=カメラ・相川 和寛)
9回、無死満塁、サヨナラ2点左前適時打を打った中島宏之を抱きしめる原辰徳監督(奥)(カメラ・今成 良輔)
9回、無死満塁、サヨナラ2点左前適時打を打った中島宏之を抱きしめる原辰徳監督(奥)(カメラ・今成 良輔)

◆JERAセ・リーグ 巨人3―2広島(17日・宇都宮)

 巨人が4年ぶりとなった宇都宮での主催試合で劇的な逆転サヨナラ勝ちを収めた。2点を追う9回、それまで無得点に封じられていた広島の先発・遠藤を2安打と四球で無死満塁と攻め、代わった左腕のターリーからポランコが左前適時打。続く中島が左越えに移籍後初となる逆転サヨナラ打を放った。10試合ぶりに戦列復帰した吉川も2安打をマーク。チームは今季2度目のサヨナラ勝ちで2位に浮上した。

 両手に残った感触で、中島は最高の結果を確信した。打球が左翼手の頭上を越える。逆転サヨナラの一打に、一塁を回った所でベンチから飛び出すナインを待つように走る速度を緩めた。背番号5を中心にできた輪の中で、手荒い祝福を受ける。頭をたたかれ、水を浴びせられても、気持ち良さが全てを上回った。「何とかヒーローになったろうと思っていました。ちょっとびちょびちょになったので、早く着替えます」。お立ち台で最高の笑顔を振りまいた。

 心は熱く、頭は冷静だった。ポランコの適時打で1点差に迫り、なお無死満塁の絶好機。「外野もちょっと前気味にいる状況でしたし、思い切り振らんでもね」。1ストライクからのチェンジアップをコンパクトに振り抜いた。前進守備の左翼を越える4年ぶりのサヨナラ打は2度の犠飛を含め通算8度目。巨人では19年の移籍後初だ。これで今季の得点圏打率は4割1分2厘。抜群の勝負強さを誇る。

 今年7月末には40歳を迎えるベテランでも「何歳とか聞かれても打席にいったら常に打ちたいし、守ってもアウトにしたいし」と心は常に野球少年のまま。S班として過ごした春季キャンプでは、常に坂本と行動を共にした。年齢を重ねるごとに練習量を増やす主将と同じメニュー。遊撃の位置でノックを受けて左右に振られ、他のS班選手が屋外でのフリーを開始しても、宮崎の間は坂本と共に室内練習場にこもった。「フリーに入ると順番を待ったりもするけど、こっちなら量が打てる。勇人と同じ練習して、じっくり体をつくってますよ」。練習後には約5キロの道のりを連日、走って宿舎まで戻った。6戦ぶりのスタメンで結果を出したプロ22年目は土台を固め、どんな起用法にも応えられるコンディションをつくり上げていた。

 縁のある球場での恩返しにもなった。伊丹北高から00年ドラフト5位で西武に入団して3年目までは、オフにこの宇都宮清原球場で自主トレを行った。「懐かしいなって思いながら」。自主トレのやり方も分からないまま先輩に連れられ、必死に練習に励んだ舞台で、躍動する姿を示した。

 チームは2位に浮上。原監督も「9回ぐらいしか攻撃はしてないような」と苦笑いしつつも「2点差というのは攻撃する側も易しい点数じゃないんだけど、本当に一人一人が非常にいい役割を果たしてくれた」と打線をたたえた。その中でも最大の殊勲者となった中島は「これからもジャイアンツの試合を見てください」とファンに呼びかけた。こんな試合なら何度でも見たい。誰もがそう思ったはずだ。(西村 茂展)

試合詳細
サヨナラ打を放った中島宏之は宇都宮タオルを手に笑顔を見せた(カメラ・相川 和寛)
9回無死満塁、逆転サヨナラ打を放ち中田(奥)に祝福される中島(手前は湯浅=カメラ・相川 和寛)
9回、無死満塁、サヨナラ2点左前適時打を打った中島宏之を抱きしめる原辰徳監督(奥)(カメラ・今成 良輔)
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