【オークス】福永祐一騎手×国枝調教師G1初タッグ 現役最多「樫5勝コンビ」がエリカヴィータ導く

スポーツ報知
新たに福永を鞍上に迎えるエリカヴィータ。オークスでどんな走りを見せるか(カメラ・小泉 洋樹)

◆第83回オークス・G1(5月22日、東京・2400メートル)

 牝馬クラシック2冠目を争うオークス(22日、東京)で『最強タッグ』が結成される。トライアル、フローラSの覇者、エリカヴィータの国枝栄調教師(67)=美浦=がオーナーの意向を受け、鞍上に迎えたのは福永祐一騎手(45)=栗東・フリー=。3冠牝馬2頭を送り出したトレーナーと現役最多タイのオークス3勝ジョッキー、初めてG1で実現するコンビから目が離せない。

 樫の頂上決戦で“最強タッグ”が誕生だ。トライアルのフローラSを制したエリカヴィータの国枝調教師は、現役で唯一となるオークス2勝を挙げている。そして新コンビを組む福永は、現役最多タイのオークス3勝ジョッキーで、意外にも国枝厩舎の管理馬にG1では初騎乗となる。国枝師は「あれだけのジョッキーだし、そつがないよね。いつも流れを読めている。(昨年の日本ダービーで)シャフリヤールなんかでも、結果を出してるもんな。それは何かスペシャルなものがあると思う」と、期待を隠さない。

 これまでは関東と関西の違いで縁が薄かったが、名伯楽自身には個人的な思い入れがある。元祖・天才ジョッキーと言われた父・洋一さんの鮮やかな手綱さばきは、ファンの時から脳裏に焼き付いていた。洋一さんが騎手生命を絶たれた79年3月の落馬事故を、助手として臨場していた中京競馬場でラジオで聴いた記憶も残っているという。「(8番人気の)ハードバージで勝った(1977年の)皐月賞とか、あまたのレースで驚かせてくれたよね。福永君も、おやじさんのいいところを引き継いでいると思う」と、その腕を見込んでいる。

 一方で福永も「特に牝馬の扱いにたけた厩舎」と印象を口にする。そして自らの騎乗スタイルについては、「突拍子もないことをするわけではなく、ある程度、自分のなかで理論付けが済んでいることしかやらないジョッキーではありますね」と自己分析したうえで、「おそらく父もそうだったと思う。どちらかと言うとデータ派だったと思うし、母から聞いている限りでは、感性だけで乗っていたとは思わない」と語る。国枝師が抱いている騎手像と共鳴している点は多く、最終追い切りでの初コンタクトで十分に感覚をすり合わせられるだろう。

 過去10年でフローラSの勝ち馬は、20年のウインマリリンなどの2着が最高で、白星はアパパネと1着同着だった10年のサンテミリオンまで遡る。エリカヴィータと福永についてトレーナーは「合うと思うよ。特に乗り難しい馬ではないし、ロスなく、馬とけんかせずに乗ってほしいよね」ときっぱり。オークス男の共闘実現で、勝利への“化学反応”が起きる。(坂本 達洋)

 ◆国枝師「上積みを見込んいでいい」 エリカヴィータはフローラS後も茨城県の美浦トレーニングセンターの厩舎にとどまって調整されている。11日の1週前追い切りは、ヴィクトリアマイルに出走したマジックキャッスル(5歳オープン)との豪華な併せ馬で、先行から5ハロン68秒1―11秒9で併入と着々と態勢は整えられている。国枝調教師は「いい感じ。反動もなく、上積みを見込んいでいい」と手応えを感じている。

 ◆国枝師と福永のタッグ これまで27回あって【4、3、3、17】。直近は昨年1月の万葉Sのアンティシペイト(4着)で今回が1年4か月ぶり。重賞は、97年の阪急杯・G3のフーイナム(9着)、07年の報知杯フィリーズレビュー・G2のクーヴェルチュール(5着)と、コンビの4勝中3勝を挙げているロジチャリスで臨んだ16年のエプソムC・G3(4着)の3度あるだけ。

 ◆国枝 栄(くにえだ・さかえ)1955年4月14日、岐阜県生まれ。67歳。1978年に山崎彰義厩舎に調教助手として競馬の世界に入り、調教師試験合格後、90年に厩舎を開業。10年にアパパネ、18年にアーモンドアイで牝馬3冠を達成するなど、G121勝を含むJRA重賞61勝。海外G11勝。JRA通算994勝は現役トップ。

 ◆福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年12月9日、滋賀県生まれ。45歳。96年3月2日に栗東・北橋修二厩舎からデビューし、16日現在で歴代4位のJRA通算2552勝。20年にコントレイルを無敗の3冠に導くなどG134勝を含む重賞は159勝。ほかに海外G15勝。妻は元フジテレビアナウンサーの翠さん。160センチ、52キロ。

 ◆ユーイチの父・福永洋一とは 1948年12月18日、高知県生まれ。73歳。68年に武田文吾厩舎所属で騎手デビュー。70年から9年連続で、全国リーディングを獲得。77年には126勝をマークし、野平祐二騎手の持つ年間最多勝記録(当時)を19年ぶりに塗り替えた。71年のニホンピロムーテーでの菊花賞をはじめ、G1級レース9勝、重賞49勝を挙げた「元祖・天才」。マリージョーイに騎乗していた79年3月の毎日杯で落馬し、脳挫傷などの重傷を負って引退した。通算5086戦983勝。

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