東日本大震災を経験したルーキーの記憶に残る日本ダービー馬はキズナ 土田真翔騎手 

スポーツ報知
福島出身の土田真翔騎手は日本ダービー馬キズナに特別の思い

 5月中旬の美浦トレセン。皐月賞馬ジオグリフが馬場入りし、同2着のイクイノックスが帰厩。オニャンコポンとアスクビクターモアが2週前追い切りを行い、いよいよ日本ダービー独特の雰囲気が周囲に漂ってきた。

 4月に44歳とゾロ目を迎えた記者が日本ダービーに向けた取材の合間に18歳のルーキーと遭遇。話は日本ダービーの話に及んだ。「トレセンの雰囲気でダービーが近づいているのを感じる?」と聞くと、「やっぱりダービーって特別なレースですよね。盛り上がってきているんじゃないですかね」と丁寧に応じてくれたのは福島県福島市出身の土田真翔騎手(18)=美浦・尾形和幸厩舎=だ。続けざまに「記憶に残っているダービーってある?」と聞くと、「キズナのダービーですね」と即答だった。

 理由を聞くと「名前の意味が震災があったからというものですし、特別な感じがあります」。福島県伊達市に住んでいた2011年に東日本大震災を経験。その震災をきっかけに多くの場で語られるようになった「絆(キズナ)」が馬名の由来になったディープインパクト産駒の2013年日本ダービーの走りは目に焼き付いているという。

 4月には故郷の福島競馬場でデビュー後初めてレースにまたがった。計3日間の騎乗で、初勝利を狙ったが、5月1日の8Rサノノヒーローの2着が最高。それでもデビュー後初めて馬券に絡んでみせた。「サノノヒーローで2着に来られたことは自分にとってもプラスになりました。でも、早く初勝利がほしいですね」と声も弾んだ。福島での騎乗は小さい頃からの夢。競馬ファンだった父親に連れられて緑の芝を軽快に駆け抜ける馬にまたがるジョッキーに憧れた。「やっと騎手になれたんだなって思いました。やっぱり特別な思いはありましたね。結果は残念でしたけど」と一生の記憶に残るものだ。

 残念だったのは無観客での開催だったこと。3月に起きた福島県沖地震で無観客。ファンの前での騎乗はかなわなかった。家族も来場できず。「やっぱり地元なので見てもらいたかったですね」とさみしさが残る。

 趣味はボウリング。44歳になった記者ですら流行したのはもう30年近く前で、今では足を運ぶこともない。18歳の若者が迷わずに意表をつく「ボウリング」と答えることに戸惑った。最高スコアは206だそう。「同期と行ったり、1人で行ったりしますよ。マイシューズとボール? お金をためて買いたいですね」と白い歯を見せた。夏には北海道シリーズに参戦を予定しているという。時間があったら、26歳という年の差をこえて北の大地で異業種ボウリング大会にでも興じてみたい。(中央競馬担当・恩田 諭)

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