元高校球児の記者が「ラプソード」体験 イメージは大谷翔平も… 最新テクノロジーで野球の楽しみ方も変わる?

ラプソード「HITTIING2・0」を体験した長尾記者、打球を上げるにはこんな感じで打たないとだめ?
ラプソード「HITTIING2・0」を体験した長尾記者、打球を上げるにはこんな感じで打たないとだめ?
ラプソード「HITTIING2・0」
ラプソード「HITTIING2・0」

 「打球が全く上がらない…」。予習したバレルゾーン(※)に打ち込み、ただの36歳中堅記者じゃないところを見せつけてやろう。県岐阜商で3年間、打撃投手だった意地を見せるんだ! しかし、そんな淡い希望は3球の置きティーで散った…。

 11日から東京都内で行われた「第1回スポーツテックEXPO」を訪問した。目的は、株式会社Rapsodo Japan(以下、ラプソード)のブース。同社が展開する、高性能の弾道測定器を体験するためだ。

 同社の花城さんから説明を受け、意気揚々とゲージへ入った。米エンゼルス・大谷翔平選手、カブス・鈴木誠也選手のような弾道をイメージしながらフルスイングした。

 しかし…。打球が上がらないどころか、鉛でも入ってるような勢いで地面へたたきつけられた。さらに2球体験させてもらったが結果は同じ。打球速度は104キロ、打球角度はマイナス10・5度、飛距離5メートル。お手本のようなゴロがショート正面に飛んだことが分かった。打球速度がより速いに超したことはないが、打球角度や回転軸との掛け合わせが重要だという。

 ラプソードは、メジャーリーグ全30球団、NPB10球団が採用。ゴルフの弾道やスイング軌道などの研究、分析する目的で開発され、2016年に野球事業へ参入した。同じ弾道測定ができる球場設置型のトラックマンとの違いは、持ち運び可能な点。球場外でも容易に測定できるのが大きな違いだ。主に投手が使う「PITCHING2・0」、主に打者が使う「HITTING2・0」(ともに税込み71万5000円)、投手が握りの確認やスローモーション動画の生成に使う「INSIGHT」(税込み38万5000円)の3種類が販売されている。最近は個人所有も増え、昨年は西武・高橋光成投手が購入。iPadと連携して自身の球速や回転数を数値化、分析して技術の向上につなげた。記者が訪れた会場も、多くの関係者が訪れ、実際に体験していた。

 最近では特に野球塾を経営、開校する人の購入や問い合わせも多いといい、感覚だけに頼らない指導法が今後さらに確立される予感がする。課題はアマ球界への普及。機器は決して安価ではなく、購入しても即効性を得られるとは限らない。ラプソードが示すものは、あくまで指標。自身の特徴を捉え、出た数字を分析する専門の“アナリスト”のような存在が身近にいれば、爆発的に実力も伸びていくだろう。

 例えば、球速が出ているのに空振りが奪えない悩みは、ラプソードを使うことでより正しい方向に進むことができる。回転軸の傾きが大きく、ジャイロ回転でホップ成分小さいが、よりバックスピンの効いたボールを目指し正しい回転軸を継続して計測することで、伸びのある直球が投げられるようになる。高校時代にラプソードと出会っていれば、私も140キロ後半くらいスピードが出て、全く別の立場になっていたはず。得意のカーブとシンカーを駆使し、柳裕也投手のような偉大な投手に…近づけてはいたかも。(柳投手、すいません)

 戦うフィールドが全く違うが、思い切ってさきほどの“遊ゴロ動画”を現役選手に見てもらった。今年の春季キャンプでチームNO1の打球速度170キロ超えを記録した中日・鵜飼航丞外野手。動画を送ると「バカおもろい。ショートゴロですね(笑)」と返信が…。さらに打球速度104キロと伝えると「遅すぎます(笑)練習あるのみですね」。ごく自然な流れで今オフの合同自主トレが決定した。岡林勇希外野手には「置きティーでゴロはだめでしょ」とばっさり。大谷や、ヤンキース・スタントンは打球速度180~190キロだとか。当然だが世界が違う。異次元だ。

 花城さんは「今は、本塁打が出たとき『打球速度』や『飛距離』などが出る球場もあります。将来的に、試合前の打撃練習中、バックスクリーンの電光掲示板に数値を映し出して、データでも野球を楽しんで欲しい」と未来を見据える。そうなれば、報道陣も1球も見逃せなくなるスリリングな時間になりそう。データが変える野球の未来。まず私はオフの鵜飼選手とのトレーニング頑張ります。(中日担当・長尾 隆広)

 

(※)最も長打が出やすい打球速度(約158キロ)、角度(26~30度)のこと。長打が出ることで得点の可能性がより高まる。

 ◆ラプソード 投手が使う「PITCHING2・0」では、球速、回転数、回転方向、縦横の変化量など投球8項目、リリース4項目が測定可能。打者が使う「HITTING2・0」では、打球速度、打球角度、打球方向など6項目が測定可能。なお、打撃練習中に約200キロの打球が機器に当たっても大丈夫なように、頑丈に設計されている。

ラプソード「HITTIING2・0」を体験した長尾記者、打球を上げるにはこんな感じで打たないとだめ?
ラプソード「HITTIING2・0」
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