【番記者の視点】守護神・高丘陽平ここにあり 横浜FMを4発快勝に導いた”一発目”のセーブ

横浜FMのGK高丘陽平
横浜FMのGK高丘陽平

◆明治安田生命J1リーグ▽第13節 横浜FM4―1湘南(14日、レモンS)

 横浜FMは敵地で湘南に4―1で勝利し、今季初の3連勝を収めた。MF水沼宏太の先制点から、今季クラブ最多タイとなる1試合4発。GK高丘陽平も好セーブを連発し、快勝につなげた。

 開始50秒、1対1の決定機を決められていたら…。この勝利は、前半14分の先制点が生まれるまで無失点で抑えた高丘の活躍があったからこそ、と言っても過言ではない。序盤から湘南のプレスに押され、ビルドアップは突っかかった。監督も「セーフティな横パスやバックパスが多かった」と振り返る立ち上がりで、ピンチは続いた。

 それでも指揮官が「素晴らしいセーブをしてくれた」と称賛したGKが立ちはだかった。開始早々ビッグセーブを披露すると、5分、枠内に飛んできたミドルシュートをはじき、11分には至近距離のシュートをストップ。「最初を止めるか止めないかでゲームの展開は変わる。ピンチを防ぐのは自分の仕事」と集中。最後方から「シンプルに」「耐えるぞ」と叫び、止めて止めて止めた。何度も言葉にしているのは「自分のワンプレーから流れを変えたい」。セーブから、起点となる一つのフィードから、チームを後押しした。

 アディショナルタイムを含めた約100分で、浴びたシュートは21本。一方横浜FMは13本と、多くはなかった好機をモノにし、たたみかけた。終盤の失点で今季4度目の完封勝利を逃し、悔しさと反省をにじませたものの「ある程度イメージ通りにプレーを運ぶことができた。0で抑えれば自分たちの時間になった時に前線の選手が点を取れると信じていたので、後ろは我慢強く戦うだけ」。今季もリーグ最多得点を奪い、攻撃陣にスポットが当たりがちだが、高丘がいつも以上に存在感を示してもぎ取った勝ち点3だった。

 背番号1がこだわるのは”一発目”だ。試合だけでなく、練習の始めに行うキャッチングも「必ず取る」。当たり前のようで、誰にもできる簡単ではないことを丁寧にどれだけできるか。「何気ないグラウンドでの意識の積み重ねがパフォーマンスの違いに出てくる。正解かはわからないけど、僕はそう考えて今までやってきた」。加入3年目を迎えた26歳。染みついた意識が、試合での”一発目”にもしっかり表れた。

 タフに中2日の6試合を戦ったアジア・チャンピオンズリーグを挟みながら今季初の3連勝。5月も連戦が続くが、連戦のサイクルを決めている高丘にとっては「ぽんぽん入ってくれたほうがいいリズムで試合に入れる」という。

 4月から対面取材を解禁したクラブが多く、取材エリアで一人一人の表情を見ることが増えた。高丘は勝っても負けても、いい意味で切り替えの早さを感じる一人だ。勝利の喜びに浸るのは一瞬。この日の試合後も松永成立GKコーチと真剣な表情で話し込む姿が。頼もしい守護神はもう次戦の勝ち点3だけを見つめていた。(小口 瑞乃)

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