リバプールFA杯制覇で今季2冠達成、PK戦制し史上3位に並ぶ8回目優勝

スポーツ報知
FA杯を制して喜ぶリバプールの選手たち(ロイター)

◆FA杯決勝 リバプール(0-0、PK6-5)チェルシー(14日、ロンドン=ウェンブリー・スタジアム)

 FA杯の決勝が行われ、日本代表MF南野拓実(27)が所属するリバプールはイングランド・サッカーの聖地ウェンブリー・スタジアムでチェルシーと対戦。2月27日に行われたリーグ杯決勝の再現となったこの試合、両軍ともに再三チャンスを作りながらも、前回と同様、延長戦を含めた120分を戦って0-0のままPK戦に突入。7人が蹴り合ったPK戦をリバプールが6-5のスコアで制して、今季2冠目となるクラブ通算8度目のFA杯優勝を達成した。

 晴天のロンドン。気温23度。半袖のTシャツと短パン姿のサポーターが目立ったスタンド。初夏を思わせる陽気の中、キックオフ直前に国歌斉唱を行い、FA会長のウィリアム王子が整列した両軍監督と先発選手全員と握手した。こうして1872年3月16日に行われた初の決勝から今年が150年目となった世界最古のカップ戦決勝の幕が切って落とされた。

 試合は開始早々から4冠の可能性を追うリバプールが押し上げた。トレードマークのカウンター・プレスが効いて、チェルシーは防戦一方。前半9分にはディアスがアレクサンダー・アーノルドが右足のアウトサイドで放った芸術的なスルーパスに合わせて飛び出し、GKと1対1の決定機を作る。惜しくもこのシュートはチェルシーGKメンディの正面に飛んでセーブされたが、立ち上がりは明らかにリバプールが優勢だった。

 ところが前半31分、エースのサラーが突如として座り込む。しばらく手当を受けたが、2分後の同33分にクロップ監督がジョッタを送り出して交代。今季のチーム得点王がピッチを去ると、それを合図としたかのようにチェルシーが徐々に反撃し、試合が白熱した。

 後半に入ると、試合は完全に五分五分の展開。ともにチャンスを作るが、なかなかシュートが枠をとらえない。そして試合は両軍決定力を欠き0-0のまま90分を終了。これで今季のリバプールとチェルシーは4回対戦して、90分間の結果は全てドロー。続く延長戦の30分間もスコアレスで終わり、リーグ杯決勝に続き、120分間0-0のままPK戦に突入した。

 今季、チェルシーは61試合の公式戦を戦い、119点を記録。リバプールは60試合の公式戦で142点。無得点で試合を終えることが珍しい両軍が今季の国内カップ戦の決勝で2度対戦して240分間を戦い、お互い失点を許さなかった。

 前回のPK戦は11人が蹴り合い、フィールド・プレイヤーの20人全員が成功。最後に残ったGK対決が明暗を分け、リバプールに栄冠が輝いた。

 しかし今回はチェルシーの2人目、主将のアスピリクエタがゴール右ポストに当てて失敗する。対するリバプールは4人が成功して、最後にマネが登場。今年のアフリカネーションズカップの決勝、そしてW杯の最終予選でも最後のPKキッカーとなり、セネガルを勝利に導いた男の登場だった。

 ところがサラーがピッチを去った後、絶対的なエースだったマネのPKがセーブされる。右に飛んで、マネのシュートを弾き返したのは、セネガル代表の同僚GKメンディだった。

 土壇場で九死に一生を得たチェルシー。トゥヘル監督が膝をついて雄叫びを上げると、激しく地面を叩いて喜びを表した。

 まさに崖っぷちからの生還。サドンデスとなれば、成功させてプレッシャーがかけられる先行のチェルシーが有利。そして6人目キッカーのティエクが見事に成功する。

 外せば優勝を逃す絶大なプレッシャーがかかったリバプールの6人目はジョッタ。しかしこの場面でポルトガル代表FWはゴール右上のコーナーに強いシュートを蹴り込み、チェルシーに追いすがる。

 そしてリバプールGKアリソンがチェルシー7人目のマウントのPKをセーブした。右に飛んでブラジル代表GKがこのPK戦で初めてシュートを止めると、延長戦の後半6分に疲れ切ったロバートソンのサブで登場したツィミカスがアリソンと同じく右に飛んだメンディの逆を突き、ゴール左隅にボールを蹴り込んで成功。これでリバプールが6-5でPK戦を制して、2006年以来16年振りとなるFA杯優勝を達成した。

 リバプールの通算8回目のFA杯優勝は14回アーセナル、12回マンチェスターUに続き、トットナム、チェルシーと並ぶ歴代3位タイ。伝統のカップ戦の歴史にその名をまた新たに刻み込んだ。

 優勝記念の真っ赤なTシャツに優勝メダルをかけて会見場に現れたクロップ監督は、今季2冠を達成したチームについて「史上最高か?」と聞かれると、「私がその評価をする必要はない。それは後に他の人達がすればいい。ただ私は今、ボーイズ(選手達)と優勝を喜び合いたいだけだ。我々はファンも含め、本当に信じられないほど親密だ。そんな我々にとって、このFA杯の優勝は本当にスペシャルなんだ」と返答。また4冠の可能性については、「今(午後)9時15分。激しい試合を終えて、次のサウサンプトン戦の火曜日があっという間にやってくる。現時点では先発メンバーの見当さえつかない。それなのに4冠の話をするのは正気の沙汰じゃない。とにかく今はまず、この瞬間を楽しませてほしい」と続けて、前人未到と騒ぎ立てるメディアをいさめた。

 ただし奇跡の4冠に欠かせない攻守の大黒柱がこの決勝で途中交代したのは不安材料だ。クロップ監督は、前半に退場したサラー、そして延長戦直前に交代したファン・ダイクについて、「当然、試合が終わった後に二人と話した。二人とも本当に大丈夫。モー(サラー)は違和感があるが”続けられる”と言った。しかし私がノーと言った。バジル(ファン・ダイク)も続けられると言ったが、私の判断で交代させた」と語り、ともに軽症であると主張。しかし「(次戦サウサンプトン戦を行う)火曜日はすぐにやってくる。そこに間に合うかどうかは分からない」と続けて、中2日での起用に対しては慎重な構えを見せた。

 最後にリーグ杯に続き、準優勝に終わったチェルシーに対しては「彼らのクオリティ、そして彼らの120分間の戦い方に対し、心からリスペクトを捧げる」と真摯に語り、同じドイツ人のトゥヘル監督のチームに敬意を表していた。

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