◆大相撲 ▽夏場所7日目(14日・両国国技館)
大関・正代は早くも6敗目を喫した。トップは1敗で碧山と佐田の海の2人、2敗で続くのは照ノ富士、豊昇龍、大栄翔ら7人。
何て言ったらいいのか。正代にぶつける言葉が見当たらない。相撲があまりにも悪すぎる。顎を上げて胸を反った腰高の立ち合い。大関に昇進した時は不格好なりにも前に出る迫力があった。この日は顔を天井に向けて跳び上がるだけ。前に出て圧力をかける以前の問題だ。体が上下に動いただけ。相撲にならない。
先場所もこのコラムで大関から落ちてもいいから、根本から相撲を見直すべき。基本のぶつかり稽古を徹底的に繰り返すべきと書いた。それが後半に立ち直って9勝6敗でカド番を脱出した。勝ち越したことが間違いだったとは言わない。勝ち越してホッとして反省を忘れたことが1勝6敗につながっているといえる。
先場所は勝ち越しても、大関の責務である優勝戦線に最後まで残ることはできなかった。しかも、ここ数場所は優勝争いに関係ないという判断で、「割崩し」にもあっている。悔しいだろう。苦しいだろう。しかし、大関であることを忘れてはいけない。いつまで夢の中にいるんだ。いい加減、目を覚ましてくれ。(尾車親方=元大関・琴風、スポーツ報知評論家)