野々村芳和チェアマン、30年目Jリーグへの思い「それぞれの地域、クラブにあった施策が良い『作品』に」

インタビューに応え大いに語るJリーグ野々村芳和チェアマン
インタビューに応え大いに語るJリーグ野々村芳和チェアマン

 Jリーグの野々村芳和チェアマン(50)が、開幕して30年目を迎える5月15日の「Jリーグの日」を前にスポーツ報知のインタビューに応じた。1993年、プロリーグとして東京・国立競技場で行われたV川崎(現東京V)―横浜Mから始まった。当時より「本物になっている」とサッカー文化として根付いてきた手応えを口にする一方、現状では新型コロナ禍による観客呼び戻し策、シーズン移行と取り組むべき課題は多い。同チェアマンは今後の40、50年目も視野に入れ、忖度(そんたく)なく決断をしていく考えだ。(構成・内田 知宏)

 ―Jリーグが30年目を迎える。

 「Jリーグは30年前よりもはるかに本物になっていると思っています。J3まで58クラブあり、本当にサポートしたいというパートナー(自治体、企業)、サポーターがそれぞれのクラブについている。Jリーグが始まった約30年前、ブームといわれた当時とは違う関わり方をしている人たちが増えている。当時の熱狂を取り戻したいとも思うが、今のようにサポートしている人が増えることが、Jリーグにとっては一番望ましいこと」

 ―チェアマンは試合を「作品」と言います。本来の勝敗、プレーへの期待とは別の捉え方をしているように見えます。

 「フットボールの質は高ければ高いほどいいと思っています。でも、カテゴリーはJ1~3まであり、そこにはどうしても差がある。カテゴリーが下だと、フットボールではかなわないかもしれないが、スタジアムのスペックやサポーターの熱気を含めた『作品』で、下のカテゴリーがJ1を超える可能性がある」

 ―J3でもか。

 「例えばクラブと地域が社会貢献連携活動(シャレン!)などを通じて強く結びついていれば、俺たち、私たちのチームだからサポートしたいと思う人が増える。それが来場者につながってくる。強くなければ良い作品ができないというわけではなく、社会とどうつながっているかで良い作品の一つの要素でもあり、人を呼ぶことができる。トップラインからではなく、それぞれの地域、クラブにあった施策が必要だとも思っている」

 ―アジアサッカー連盟がシーズンの秋春制への移行を決めました。

 「Jリーグとしても議論をしなければいけない状況だと認識している。みんなで意見を出し合って、判断をしたいと思っている」

 ―今はどちらのスタンスでもないか。

 「シーズンを変えたい理由は何か。クラブや、学校関係者からも意見を出してほしい。変えないほうがいいという理由もあるはず。変えたら困ることも絶対にあるはずで、困らないようにするためにはどうするか、考えたら解決できる可能性もある。議論することが必ずサッカー界の前進になる。大事なのは目先の1、2年よりも、10~20年先をどう評価するかになる。今のJリーグの環境が20~30年後のW杯メンバーを決める側面がある」

 ―決断に注目が集まる。

 「私は第三者的な委員会でチェアマン就任の指名を受けた。忖度なくやることを期待されて、選ばれたと思っている。一つの結論にもいろんな道がある。どの道がいいか、いろんなことを考えながら決断していきたい」

 ◆シャレン! 社会課題や共通のテーマ(教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)について、JリーグやJクラブが地域の人、企業、団体(営利・非営利問わず)、自治体、学校などと連携して取り組む活動。

 ◆野々村 芳和(ののむら・よしかづ)1972年5月8日、静岡・清水市(現静岡市)生まれ。50歳。清水東高から慶大を経て95年にJリーグ市原(現千葉)に加入。2000年にJ2札幌に移籍し、同年のJ1昇格に貢献。01年は主将を務め同年オフに現役引退。ポジションはMF。J1通算118試合6得点、J2通算36試合2得点。02年から札幌のチームアドバイザーを務め、13年に社長、今年1月に会長に就任。同3月にJリーグチェアマンに就いた。

サッカー

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請