◆JERAセ・リーグ 巨人7―6中日(14日・東京ドーム)
待ち望んだ同級生対決に、中山のバットを握る手に力がこもった。0―4で迎えた5回の第2打席。中日の先発で中京大中京高時代の同級生・高橋宏の138キロのスプリットを振り抜き、右前へ運んだ。「打席では特別意識することなく相手投手としてしっかりと戦えました」と努めて冷静に振り返った。これで4試合連続安打。遊撃手としては5試合に出場で、軽快な守備を披露し、無失策。1軍の水に少しずつ慣れてきた。
高校時代は2年秋に明治神宮大会で全国制覇。3年時はコロナ禍のためセンバツは中止。夏は交流試合で投打の柱として甲子園の土を踏んだ。プロでチームは分かれたが入寮時に誓ったことがある。「これからは敵なので、自分が高橋と対戦したときは、絶対に打ってやるという強い気持ちをもって打席に立ちたい」
3点を追う3回無死で迎えたプロ初対決は、3球全て直球勝負を挑まれた。3球目の152キロをはじき返したが、頭上を越えそうなワンバウンドの打球を高橋宏が好捕して投ゴロに。「やはりストレートは速くて、強かったです」。同級生の直球の力強さを肌で感じ、喜びがこみ上げた。
かつての仲間に刺激を受けながら、自らも結果を残し続ける。球場入り後、言葉を交わした中山は「高校時代から逆算して考えながら練習に取り組んでいて、その中で結果を残していたので尊敬していました」と語る。主将・坂本が右膝故障で不在の中、猛アピールを続ける。1軍に定着できれば、ライバル物語のページは増えていく。(水上 智恵)