横内正、80歳の原点回帰 公演中「十二夜」出演封印し演出に専念した理由

舞台への思いを語った横内正
舞台への思いを語った横内正

 俳優・横内正(80)が演出を手掛けた舞台「十二夜」(15日まで)が東京・新宿のスペースZEROで上演されている。2016年から主演舞台を続け、昨年は「マスベス」「リア王」を同時上演で主演する離れ業もやってのけた。それが今回は演出のみ。どのような心境の変化があったのだろうか。

 「出演と演出を兼ねていると、どうしても役者の背中を見ながらの演出になってしまう。それがずっと気になっていた。もう一度、きちんと演者と向き合い、観客目線も持ちながら、舞台という枠組み含め、捉え直したいと思ったんだ」。

 出演しない、と聞いたとき、失礼ながら体力的な衰えみたいなものを感じてそう至ったのか、と勝手に想像した。しかし、聞いてみるとむしろ逆だった。「今回、出ずに演出だけにして改めて発見することも多い。個々の役者の動き、大きさも、客観的に見ることができた。この経験は自分の演技にも生きるだろうね」

 喜劇「十二夜」には花組芝居の加納幸和、合田雅吏、一色采子、高崎俊吾、堀田怜央、松田岳らが出演。「親子、孫ほどの年齢差がある人たちとの交流も、自分を変えてくれている。刺激的で新鮮で」と若々しさを保つ理由を自身で“分析”してみせた。

 そして「今作はコメディといわれるけれど単純な喜劇ではない。そこには時代問わず、人間のさまざまな深い感情が描かれている。シェークスピアの原作の言葉の特徴を生かしながら、いかに分かりやすく明快に伝えられるか。悩みながら上演台本を書くのも面白くてね」

 来年は出るつもりだ。「再び『リア王』に挑戦したい。次で5回目になるけれど、もうライフワーク。演じても演じてもまだまだやり足りないというかね」。今回の演出専念は、演技のさらなる高みを求めた執念の、その一端だった。「年齢の影響が声に出る、という人もいるけれど、いまのところ全然変わらないよ」。心地良く響くバリトンの美声も健在だった。(記者コラム)

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