◆バスケットボール◇B2リーグ・プレーオフ準決勝第1戦 仙台74-60香川(13日・香川総合体育館)
準決勝第1戦が行われ、東地区2位の仙台89ERSは敵地で西地区優勝の香川に74―60で先勝した。第2クオーター(Q)に岡田泰希(22)と田中成也(30)が3連続3ポイントを決め、第3Qには12連続得点でリードを広げた。2戦先勝制で、仙台は14日の第2戦で勝利すれば16―17年シーズン以来6季ぶりのB1復帰が決まる。
敵地の観客の前で、仙台89ERSの選手たちは力強く拳を握り締めた。香川に74―60で先勝。B1昇格へ、王手をかけた藤田弘輝ヘッドコーチ(HC、36)は「選手がディフェンシブに戦ったいいゲーム。1試合目で勝てたことは大きい」と満足そうにうなずいた。
序盤は苦しんだ。香川の自慢は攻撃。だが第1クオーター(Q)ではPG以外の4選手がゾーンディフェンスを敷く香川の守備に手を焼き、15点しか奪えず。3点を追う展開となった。ジャスティン・バーレル(34)は第1Qだけで2つのファウル。得点源でもある大黒柱に不安も抱える形になった。
ファウルトラブルも考慮し、第2Qはバーレルを温存。その厳しい状況を全員で打破した。デビン・オリバー(29)、ジェロウム・メインセ(33)の両助っ人が得点を量産。さらに素早いパス回しから岡田泰希(22)らが効果的に3点シュートを沈めた。第2Qでは26点を奪い、8点のリードを持って折り返した。第3、4Qでも自慢の堅守は崩させず。終わってみれば、14点の大差をつけた。
香川はPO初戦(6、7日)で佐賀に連勝し、この日は中5日で、移動もない本拠地での試合。一方で仙台は福島とのPO初戦は9日の第3戦まで戦い、この日は中3日。休息も満足に取れない状態で、敵地まで約750キロを移動しての試合となった。日程面の“ハンデ”もはね返した。
快勝しB1に王手をかけたが、油断は一切ない。PO福島戦では初戦を制すも、2戦目を落として“逆王手”をかけられた。第3戦までもつれた反省を、この香川戦で生かす。藤田HCは「受け身にならず、チャレンジャー精神を持ってやりたい」と力を込めた。がむしゃらに、ひたむきに―。今日14日も勝って、16―17年シーズン以来のB1復帰を決める。(高橋 宏磁)