◆セ・リーグ 阪神2―3巨人(00年5月14日・甲子園)
巨人の歴史をひもとく「今日は何の日」。2000年5月14日は、長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)が通算900勝を飾った日。伝統の一戦でV打を放ったのはあの“クセ者”でした。
長嶋監督が、甲子園で監督として史上10人目となる通算900勝を刻んだ。代名詞のスローカーブを操る阪神・星野伸之に苦戦したが、1点を追う8回にひっくり返した。「クセ者がよく打ってくれた。相撲でいえば、うっちゃった。勝負強さを発揮したな。あれがすべてだ。900勝? そんなことよりもきょう勝ったことの方が大きい」と、声を上ずらせた。
ミスター命名のクセ者とはもちろん、(現巨人ヘッドコーチ)だ。8回2死二、三塁。星野伸から代わったばかりの速球派・福原の浮いたスライダーをとらえ、左中間を破る逆転の2点二塁打。球速のギャップに面くらいつつ「まあ、だれでもええわ。ストライクゾーンに来たら思い切りいったる」と腹をくくって振り抜いた。
虎を率いていた野村克也監督の“刺客”を返り討ち。「オレはホームランバッターちゃうからね」と照れたいぶし銀の、面目躍如だった。