◆JERAセ・リーグ 巨人5―2中日(13日・東京ドーム)
2回を終えて奪三振ゼロで球数は15。佐々木朗希です。完全試合、完全未遂ときて今度はマダックス(100球未満の完封勝利)を達成するのか。
「令和の怪物ミーツ精密機械」って人類史上最強レベル…とか何とか勝手に期待してたら3回にあっさりと失点してしまった。
この人を見ていると妄想が止まらない。ロマンの塊だな。朗希が先発する日は首位攻防戦だろうがAクラス攻防戦だろうが、みんな裏番組になってしまう。困ったもんだ。
そんなわけでマダックスの可能性も消えたので、やっと巨人に全集中。2回を終わって、えっ、もう42球も投げてるの? 我らが戸郷翔征です。
こうなったら「令和の怪物」に対抗して「昭和の亡霊」と化し、昔懐かしい150球での完投とか狙ってみるか…なんて嫌みなこと言ってゴメン。
7回2失点のハイクオリティースタートでハーラートップの5勝目。菅野からバトンを受け継いで連勝したのが、何よりもうれしいじゃないか。
考えてみれば過小評価なのかもしれない。例えば岡本さんだけど、プロ入りしてから3年間は1本塁打のみ。ブレイクは4年目を待たなければならなかった。
戸郷も今季が4年目。ただ過去3シーズンで、すでに19勝を挙げている。まだ22歳。下手すれば大学4年生だよ。それがプロ1年目から大きな離脱もなく投げ続けているんだから。
ドラフトだって下位も下位の6位指名。それが大阪桐蔭勢や吉田輝星らをゴボウ抜きして、今や世代のトップランナーだ。この事実と実績は朗希にだって負けていない。
粘投の背番号20に勝ち星を。7回の攻撃にはグッときた。もちろんポランコは偉いけど、流れを作ったのはウォーカーだと思う。エキサイトシートへのダイブ捕球からのチャンスメイクな右前安打。さらに最新トレンドの本塁憤死まで披露してくれたんだから。
ただ、最後にオイシイところ全部持っていったのは背番号10のダメ押し弾だった。プロ15年目の初送りバント。タツノリ野球の洗礼です。改めてジャイアンツへようこそ。やっぱり、お前さんは憎めない。