B1秋田U15男子ヘッドコーチに高橋憲一氏就任、秋田からバスケットボールを盛り上げていく・・・ガンバる東北人

スポーツ報知
高橋HC(前列右から3人目)とともにガッツポーズする秋田U15男子の選手たち(カメラ・有吉広紀)

 B1チャンピオンシップ(CS)に初進出し、13日から1回戦(琉球戦)に臨むB1秋田ノーザンハピネッツ。その下部組織で今年4月に発足したU15男子のヘッドコーチ(HC)に、地元出身で秋田や仙台89ERSなど東北のクラブでプレーした高橋憲一氏(41)が就任した。育成年代への指導、秋田への思いなど、地元からバスケットボールを盛り上げていく熱い心意気を聞いた。(取材・構成=有吉 広紀)

 体育館に元気な声が響く。バスケットシューズを鳴らしてボールを追う選手たちを真剣なまなざしで見つめる高橋HC。チームがスタートして約1か月。HCとして初めての指導だけに、毎日が試行錯誤だという。

 「中学生や小学生(の年代)ってスポーツの楽しさ、バスケの楽しさを教えるのもいいんですけど、Bリーグのユースチームなので…。将来のBリーグ選手、日本代表選手を輩出するという専門性の高いことを伝えていかないといけない。練習は火、木、金曜と基本的に第1、3の日曜。練習試合も近くの中学校とよくやります」

 現在3年生9人、2年生13人、1年生10人の計32人で活動している。選手たちに伝えるとき、意識していることがある。

 「ただ伝えるというより、選手の心に残すような言い回しをすること。32人でコート1面だけとか、1時間半くらいしか練習時間が取れないなかで、どれだけインパクトを残して伝えて成長を促すか。こんな技があるよ、こんなステップがあるよ、と技術を教えるのは簡単だけど、それをこの時間で、この人数でどう練習するか、どのくらいやるか。それが難しくて毎日頭を悩ませています」

 プレー以外の面も、気を付けてみている。周囲への気配りができるかどうか。実はプレーに結びつくという。

 「言葉遣いやレフェリーへの態度、あいさつもよく言いますね。あと感じたのはチームメートへの配慮。転んだ選手を起こしにいくとか、いいパスをくれた選手とのコミュニケーションとか。そんな気遣いや配慮が、フリーの選手を見つけるとかシュートが決まっている選手にボールを回すとか、そういうところにつながると思っています」

 06―07シーズンにbjリーグ仙台に入団。その後は岩手、青森、秋田と東北地区のチームでプレー。多くのHCと出会ってきた。

 「仙台で初めてプロになって、浜口(炎、現富山HC)さんに礎となることを教わった。振る舞いとか言動とか、プレー以外も含めて。それまでバスケの基礎って習ったことなかったんです。ずっと能力任せできたというか。教えてもらって、キャリアのなかでも影響は大きかった。秋田へは(当時の)HCの長谷川(誠)さんから、引退するんだったら最後は秋田じゃないか、と言われて。最後を地元で迎えられるチャンスはもうないのかなと思って戻ってきました」

 プロとして10年間学んできたことを現代風にアレンジし、今の指導に生かす。それを選手だけでなく、保護者にも知ってもらいたいという。

 「考え方やどうバスケに臨むかとか、普段の言動のことを結構言います。SNSの使い方とか、サンダル履くなとか、言葉遣いとか。浜口さんに影響を受けたところですね。(発足時に)チームミーティングと保護者の説明会を一緒にやったんです。保護者の価値観を変えないと子供が育たない、という話も聞いていたので。規約とかバスケット以外の部分も話して、どういうサポートをしたりどう声がけしたほうがいいかを伝えて、これでやっていきましょうと」

 一番の夢は、秋田で育ち秋田で力をつけた選手が、やがてハピネッツや日本代表で活躍すること。そのために大切にしなくてはいけないと思っていることがある。

 「まず技術がないといけなくて、次に技術を発揮するメンタル。例えばコーチが代わって戦略や戦術が変わったとき、素直に受け入れるのってメンタルだと思うし、対応する能力もないといけない。両方を鍛えていかないと本当にトップ選手にはなれないと思うんです。だからバスケット以外の部分もきちんとできるように、人間として成熟できるようになってほしい」

 トップチームが初のCS進出。きょう13日から大きな戦いに臨む。その姿を見て、下部組織の士気も当然上がるはずだ。

 「秋田出身のプロ選手が少ないんですよ。片手でも余るくらいかな。自分は秋田で最後プレーして、地元の人にすごく応援してもらった。そういう経験をしてほしいな、いろんな価値観に触れて広がっていって、幸せになって人間力が育つというか。そうなってほしい、というのが根底にあるかもしれないです」

 ◆高橋憲一(たかはし・けんいち)1980年12月22日、秋田・潟上市生まれ。41歳。秋田工から東北学院大、日立電線(現日立金属)に進み、06―07年シーズンにbjリーグ・仙台89ERS入団。岩手ビッグブルズ、青森ワッツを経てBリーグ・秋田ノーザンハピネッツで16―17年シーズン限りで引退。秋田のクラブアンバサダーや個人のバスケットスクール講師、秋田U18サポートコーチなどを務め、今年4月から秋田U15男子ヘッドコーチ就任。

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