◆パ・リーグ 楽天7―0ロッテ(10日・楽天生命パーク)
最後まで諦めない姿勢が値千金の一打を生んだ。0―0の5回2死満塁。楽天・銀次は代打で登場した。ロッテ・小島の外角直球を振り抜いた打球は、大きくバウンドして投手の後方へと飛んだ。スタンドからため息が漏れる中、一塁目がけて全力疾走。このゴロをエチェバリアがグラブではじいて内野安打となると、歓声が湧き起こった。
均衡を破った泥臭いV打に「中途半端な最悪の打撃だった」と本音も漏れたが、「何が起こるか分からないっていう感じで最後まで走れたことはよかった」と大粒の汗を拭った。
チームはこれで先制した試合は16勝0敗1分けと“不敗神話”も継続した。今季代打では7打数6安打の打率8割5分7厘と圧巻の勝負強さを誇る。「頑張っている将大のために何とか先制点を取りたいと思って打席に入りました。野球の神様が助けてくれましたね」。マー君と同じく13年の日本一を知る34歳が、今季は“代打の切り札”として何度でも輝きを放つ。