サッカー プロでも亡き後輩の思いを背負って戦う!静岡市出身の桐蔭横浜大・水野颯太がJ2甲府に内定

亡くなった増尾さんのために作ったユニホームを持つ水野
亡くなった増尾さんのために作ったユニホームを持つ水野
亡くなった桐蔭横浜大の増尾さん(左)(右2人はサッカー部の同級生、桐蔭横浜大提供)
亡くなった桐蔭横浜大の増尾さん(左)(右2人はサッカー部の同級生、桐蔭横浜大提供)
増尾さんが亡くなって最初のリーグ・明大戦(4月16日)でスライディングする桐蔭横浜大FW水野(右)
増尾さんが亡くなって最初のリーグ・明大戦(4月16日)でスライディングする桐蔭横浜大FW水野(右)

 静岡市出身の桐蔭横浜大FW水野颯太(4年)=常葉大橘出=が来季J2甲府に加入することが、このほど内定した。目標は同じくスピードを武器にし、甲府でプロ入りした日本代表FW伊東純也(29)=ゲンク=。先月13日にがんで亡くなった大学の1年後輩で分析担当の増尾健さん(享年20)の思いも背負って、代表入りを目指す。(取材・構成=山田豊)

 水野は昨季後半戦から関東1部リーグ戦に本格的に出場し始めたばかり。現在まで通算8得点。今年の甲府のキャンプに参加した。

 「初めてプロの練習に参加したのが甲府。内定のお話は素直にうれしかった。甲府はパスサッカー。欧州風の最先端のサッカーで頭も使う。でもうまくなれると思った。スピードが売りなのでドリブルを見てほしい」

 甲府に大卒で入団した選手は伊東、広島MF佐々木翔(ともに神奈川大)、名古屋MF稲垣祥(日体大)が日本代表になるなど育成力に定評がある。

 「甲府は伸びる素地のあるクラブ。特にOBの伊東さんのアップダウンするスピードはすごいし、まねしたい。(武器の)縦の突破力に加えて(伊東のように)カットインできれば魅力が増える」

 常葉大橘高時代は3年の県選手権で8強。全国に縁はなかった。

 「優勝した浜松開誠館に負けたとき何もできなかった。でも中高を常葉橘で過ごし、自由にやらせてもらったことは今に生きている」

 静岡愛は今でも健在で進路を決めるときの後押しになった。

 「静岡に近いというのも入団理由の一つ。清水と磐田からは話がなかったが、プロに入れば相手として戦える。J1に上がってアイスタやヤマハで試合に出たら親や応援してくれる人は喜んでくれる」

 先月13日に大学の1学年後輩の分析官・増尾さんが、がんのため亡くなった。中2で骨肉腫を発症。プレーはできなかったが情熱は部内トップ級で分析担当として入部。だが、がんが転移し昨年末には目も見えなくなった。春先に姿を見せたのが最後だった。

 「大学2年のとき、『動き出し』について悩んでいた。相談するとバルセロナなど強豪クラブの選手の動画を送ってくれた。健はサッカーにとても詳しく、なによりサッカーが大好きだった。LINEで『頑張れよ』と送ったが、余命がこんなに短いとは思わなかった。信じられず、整理がつかない」

 増尾さんの父は亡くなってから3日後の明大戦でスタジアムへ訪れた。「健は『もう一回グラウンドに戻るんだ』と言って闘病していた」と話し、水野をはじめイレブンは無念の思いを受け止めた。すると自然と「健を日本一にしよう」という声が上がった。

 「お通夜で顔を見て、頑張っていたんだなと思った。つらかった。僕も今季はリーグ戦で10ゴール10アシストする。そして健のためにも日本一にならないといけない。そしてプロに入っても健のことは忘れてはいけない。健のことを胸に持ちつつ、プレーしていきたい。それは健の生きた証になるはずですから」

 ◆水野颯太(みずの・はやた)2000年6月30日、静岡市生まれ。21歳。駒形SSS、常葉大橘中・高を経て桐蔭横浜大4年。利き足は右。175センチ、69キロ。血液型はO。家族は両親と兄。

亡くなった増尾さんのために作ったユニホームを持つ水野
亡くなった桐蔭横浜大の増尾さん(左)(右2人はサッカー部の同級生、桐蔭横浜大提供)
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