【番記者の視点】11戦未勝利の神戸は「間に合う」のか…シーズン半ばに再建することの難しさを考える

スポーツ報知
後半、ゴール前に攻め込み転倒する神戸・アンドレス・イニエスタ。右はG大阪・奥野耕平

 ◆明治安田生命J1リーグ 第12節 神戸 0―2 G大阪(8日・パナソニックスタジアム吹田)

 最下位の神戸は、アウェーでG大阪に0―2で敗れ4連敗。開幕からリーグ戦11試合未勝利(4分け7敗)とクラブワースト記録をさらに更新した。

 元日本代表MF山口蛍のもどかしい表情が、苦しい現状を物語っていた。序盤から流れをつかめなかった試合運びについて質問されると「勝てていないなかで勢いを出していくには、もう少し前から(ボールを奪いに)行ってもいいかなと思いました。逆にガンバが結構前から来ていたので、その圧力をそのまま受けてしまった。そうなると今のチーム状況を考えると、良い流れに持っていくのはなかなか難しい」。山口が振り返ったように、神戸はG大阪のプレスを効果的にかいくぐることができず攻撃が手詰まりに。そこに退場者が出たことで防戦一方となった。

 ロティーナ監督就任から1か月が経過した。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグは無敗で首位通過を決めたものの、リーグ戦は未勝利。ACL直前、指揮官は予選突破と同時に「日本に戻った時、自信を持ってプレーできるチームを作り上げること」をテーマに掲げたが、後者に関しては達成できているとは言いがたい。

 オープンな展開を好まず、自分たちでボールを支配しながら相手を押し込んでいくのが指揮官が志向するサッカーだと考えている。これまでの個の力に頼ったスタイルから、選手たちがチーム全体で戦術を意識しようとする姿勢は伝わってくる。その一方で、元同代表DF酒井高徳は「(チームとして)やろうとしている事は間違っていないと思いますが、皆が自分の立ち位置や役割を考える時間ができすぎて、流動性や連動性が出ないように感じた」と指摘した。シーズンの最中に新たなコンセプトに挑んでいるが故の問題点だと思う。

 酒井は「全体的にスムーズに動けるようになれば良くなる」とも話したが、リーグ戦は神戸が立て直すまで待ってはくれない。全日程の約3分の1が消化し、ここから先は1試合1試合の結果がより重みを増す。山口の言葉も、チームを構築しながら勝ち点3を得ることの難しさを肌で感じているから出てきたのではないだろうか。

 ロティーナ監督の就任時、クラブは「苦しい状況を改善、好転してくれるのはロティーナさんしかいないと判断した。能力を疑う余地はまったくない」(永井秀樹スポーツダイレクター)と老将の手腕に再建を託した。戦い方が整備され、初勝利を手にする「その時」まで我慢できるのか。ACLからの帰国早々、神戸は厳しい局面に立たされている。(種村 亮)

サッカー

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×