◇陸上 セイコー・ゴールデングランプリ(8日、国立競技場)
日本勢が、優勝したコールマンと競る局面がなかったのが残念だった。小池君も、予選から状態を上げて2位に入ったのは評価したいが、自己ベスト9秒98の力がある以上、絶好調からは遠いと言わざるを得ない。春先の連戦の疲れもあるだろうし、今後6月の日本選手権や7月のオレゴン世界陸上へは、課題を踏まえて状態を上げてくれるだろう。まだ世陸まで残り2か月あるので、心配はしていない。
五輪翌年の今季、山縣君や桐生君、多田君ら東京五輪リレー代表に故障者が相次いでいる。五輪へ全力を傾けた影響は否めないだろう。実力者に元気がない現状は、若手にとっては大きなチャンス。今大会で日本勢2番手の4位だった18歳の柳田君は、そろそろ出てきてほしい存在。世界で戦うのに何が必要か肌で感じられれば、貴重な経験になる。(男子100メートル元日本記録保持者、中京大副部長)