再出発で見せた川崎の力 ACL日本勢唯一敗退を糧に清水撃破・・・岡島智哉記者が「読み解く」

スポーツ報知
川崎・鬼木達監督

◆明治安田生命J1リーグ▽第12節 清水0―2川崎(7日、アイスタ)

 2位の川崎は、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)参加による中断明け初戦で清水を2―0で下し、1試合消化の多い首位・鹿島との勝ち点差を2に縮めた。ACLで日本勢唯一の1次リーグ敗退を喫したJ王者が、この一戦に懸けた思いと勝利に至った背景を、。鹿島は攻撃陣が沈黙し、広島に0―3で大敗した。

 悔しさを力に変え、戦い抜いた。失意の敗退劇から1週間、川崎が“再出発”の一戦で勝利を手にした。「全員がこの試合の大切さを理解して練習してきた」。FW家長はチームを誇った。

 試合開始の笛が鳴るやいなや、FWレアンドロダミアンが鬼の形相でボールを持つ相手に圧力をかけ、体を投げ出した。先制点は流れるような連係から生まれたが、起点はDF佐々木がサイドの攻防で競り勝ったところから。鮮やかなプレーの背後に、激しいバトルの勝利あり。従来の川崎の姿があった。

 日本勢唯一のACL敗退。「ACLを捨てた」「Jリーグの恥」―。J王者の早期敗退には過剰な批判も集まった。選手のSNSアカウントには、心ない匿名の誹謗(ひぼう)中傷が多く寄せられたという。同じ人物から同じ内容の文言が各選手に一斉に送られたケースも見受けられたと聞く。だが脇坂が「気持ちを出してプレーするだけだった」と振り返ったように、選手は悔しさをピッチにぶつけた。

 ACL第5節の蔚山戦(2●3)で失点直結のバックパスミスを犯した佐々木は先制点に絡み、終盤は足がつりながらも走り抜いて勝利に貢献。起用に応えて結果を残した。「自分のミスで敗退した」と落胆する佐々木に、スタッフは失点場面や自分がバックパスを選択した場面を抜粋した映像を編集してくれた。鬼木達監督(48)は「もっと前を意識してプレーを」と助言をくれた。先輩からも多くのアドバイスを受け、主将の谷口からは清水戦前日に「スッキリしてるか?」と笑顔で声を掛けられた。「1年目なんでアグレッシブに元気よくやろうと気持ちが切り替わりました」

 ACLの借りは、ACLでしか返せない。今できることは、味わった屈辱を力に変え、目の前の試合にぶつけることのみ。チーム力が試された再出発の一戦で、川崎が勝ち点3を得た。(岡島 智哉)

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