囲碁棋士の研究会「今研」の一般公開で感じた「今」という特別 囲碁を生で見る

スポーツ報知
囲碁の研究会「今研」の見学イベント

 囲碁棋士の研究会「今研」の見学会が6日、有楽町囲碁センターで行われた。

 平日ではあるが、ゴールデンウィークのさなか。紙袋を持った人々であふれる有楽町駅を出て、目の前のビルの一室。棋士たちが真剣なまなざしを盤に向けていた。

 普段の棋戦の対局が中継されることはあっても、棋士の勉強風景が公開されることはまれだ。4月から囲碁も担当することになった私は研究会を見学するのは2度目。4月26日に東京市ヶ谷の日本棋院で行われていた「今研」を見学させてもらったのが初めてだった。

 「3、4、5…」。いたる所で時計が秒を刻み、それ以外にはカチャリと碁石をつかむ音だけが響く。独特の緊張感が広がるその光景をもう一度見たいと足を運んだ有楽町だった。この日、日本棋院の時よりもさらに異質な緊張感があったのは、棋士たちをぐるりと一般の見学者が囲んでいたからだ。

 有楽町での見学イベントに参加した棋士は芝野虎丸九段や上野愛咲美四段、妹の梨紗初段ら約20人。棋士同士の真剣勝負の対局だけでなく、指導碁や、大盤解説、棋士のサイン色紙がプレゼントされるクイズ企画など、バラエティーに富んだ内容でエンターテインメントとしても楽しいイベントに仕上がっていた。

 野球や、お笑いや、音楽。なんでもいい、好きな物がある人なら分かると思う。生で感じる息づかいや、においや、人の表情の”特別“を。そこに参加すれば、無条件でさらに好きにならずにはいられない。イベント終了後、見学者たちの熱気が立ちこめるなか、愛咲美四段も「楽しかったです」と笑顔を見せた。

 「今研」は2010年、張豊猷(チョウ・リユウ)八段が中国や韓国に勝つことを目指してたちあげた若手棋士の研鑽(さん)の場。毎週火曜日に日本棋院で行われている。張八段は、「手合い(対局)も毎日あるわけではない。手合い以外の時間は自由な時間。自制することは難しいです。みんなで集まって研究する時間を持つのは大きな意味がある。一人じゃ思いつかない考えも生まれる」と存在の意義を語り、愛咲美四段は「火曜日の『今研』に行かないと木曜日の手合いの勝率が悪かったりする。『今研』で勉強することで強い棋士とも打っていただけるし、たくさん対局ができるので、調子が悪くても研究会中に戻ったりする」と通う意味を語った。

 イベント終わり、張八段に「今研」の名前の由来をに聞いた。「今にしか出来ないことをやろうかなと思ってこの名前にしました。今っていうのは人によっていろんな捉え方がある。『今を大事にしよう』とか、『今しかない』とか、それぞれがそれぞれの意味で受け取ってもらえたらと」。囲碁の取材を始めて1か月。この研究会を見ることが出来た今は、私にとっても特別な瞬間になった。(瀬戸 花音)

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