◆JERAセ・リーグ 中日1×―0阪神=延長10回=(6日・バンテリンドーム)
中日・大野雄大投手が延長戦で完全試合を逃したが、圧巻の10回完封劇を見せた。
9回までパーフェクトに抑えたが、0―0で延長戦へ。延長10回に近本、中野を抑えたが、30人目の打者・佐藤輝に右中間二塁打を打たれた。後続を抑え、その裏に石川昂がサヨナラ打。大野雄は10回1安打完封勝利となった。
延長戦で完全試合を逃したのはプロ野球2度目。05年8月27日、西武・西口が10回無死、楽天・沖原に安打を許して以来だった。球団史上初の完全試合こそ逃したが、主将の力投でチームの連敗を2で止めた。
以下、一問一答。
―9回、27人を抑えきったときの気持ちは。
「9回はとにかく点が入っていっていなかったので、パーフェクトしているのは知っていましたけど。点が入らないと・・・というところでしたし、ベンチに歩いて帰ったとき、みんなに『あとは頼んだ』と言いながら帰った。監督にどうすると言われて悩んでいたところで、やっぱり柳の顔が浮かんで。あいつやったら絶対いくっていうやろうな、と思った。実は一回、代わるとなったんですけど、もう一回監督のところにいってやっぱりいかせて下さいと。(監督も)『あと1イニング頑張ってこい』ということだった」
―佐藤輝に二塁打を打たれた直後に監督からは何を。
「バッターが大山選手で一塁が空いていたので、次の打者を考えながら2人でひとつのアウトをとりにいきなさいということでした」
―スラーブも。
「1球投げました。今日は、木下が丁寧にリードしてくれました。青柳投手ということで、1点の試合だったのでそれをすごく考えながらと言うか。危ないところでは絶対に外角行って、大胆にいくところでは内角。慎重やなと感じた」
―佐藤輝選手のとこも悔いはない。
「サイン通りというか、あれは遠甘の球なので、木下もホームランにならなくてよかったと」
―ツーシームが良かった。
「高さがよかったですね。それもノーヒット継続というのが、より僕の中で慎重にさせてくれた。(ツーシームは)ひとつでも高くなると泳ぎながら内野の頭を越える球なので」
―どれぐらいに完全を意識した。
「ずっとノーヒットというのは気づいていて、やっぱり8回。7回に上位3人の左を抑えて、そこから下位打線になっていく。ちょっと頑張ろうかなと」
―以前、ロッテ・佐々木朗希を嫉妬しないと話していた。
「僕は達成はしていないので記録にも残らない。ただ、僕の良さというか延長10回いける投手もなかなかいない。そこは自分をひとつほめてあげたい」
―横浜で2連敗後の勝利。
「負け越して帰って来て。この1個勝ったことでチームが上向いていけば」
―公私ともに仲の良い京田が2軍行き。ナゴヤ球場で話をした?
「応援しているから頑張れとは伝えた。元々、淡々と表情に出さずにプレーする選手。そういう風に見えてしまったところもあると思う。あれだけ打てなくて守備もぴしゃぴしゃかといったらそうじゃない。気持ちが乗らないところはあったと思う。でも、あいつのことを僕は信用、信頼している。手をつけられないぐらいで(1軍に)帰って来て欲しい。やっぱりええ選手。あいつにしか分からんことがあると思う。そこを乗り越えないと。サポートできることがあったらしたい。全部はね返して、負けないでほしい」
―ノーノーより記憶に残る投球に。
「とにかく勝ちたかった。パーフェクト継続中だったんですけど、勝つためには全然四球を出してもOKという気持ちでした。もちろん継続できたらいいですけど、甘い球ほって、長打を打たれるぐらいなら四球はOKと思ってなげていた。こうやって10回投げて最後に(石川)昂弥が打ってくれて、ほんまにすべてが報われた。僕の記録なんて、どうでもいい。ほんまに勝ってよかった。それだけです」