◆報知新聞社杯争奪ヴィーナスリーグ(ユースの部)▽東京武蔵なでしこ0―10ボーイズ東日本女子=4回コールド=(4月29日・大利根運動公園)▽ボーイズ東日本女子15-3ハマンジINFINITYジュニア=6回コールド=(5月1日・あずまスタジアム)▽ボーイズ東日本女子5-2むさし野オールシャインズ(同4日・大利根運動公園)
ボーイズリーグの東日本ブロックは活性化策の一つとして、女子合同チームがヴィーナスリーグに参戦している。同ブロックの所属チームに籍を置く中学女子の有志で結成され、昨年から東日本女子の名で参戦。いきなりユースの部で優勝する活躍を見せた。しかし、再結成した現チームは年始に再拡大した新型コロナの影響を受け、活動自粛を余儀なくされた。
「3月下旬から練習を千葉のグラウンドで再開しましたが、遠方から選手が集まる事情もあって2回しかできなかった」と飯森豊監督(49)。4月29日、埼玉・加須市で迎えた今季開幕戦は、東京武蔵なでしこに0―10のコールド負けを喫した。だが、すぐに切り替え、5月1日のハマンジINFINITYジュニア戦は15―3、4日のむさし野オールシャインズ戦は5―2と快勝。2勝1敗(5月5日現在)と盛り返した。ただ、勝ち負けよりも「一緒に野球がやれるだけでうれしかった」。
ボーイズリーグで中学女子選手の登録が認められたのは2007年。だが、入部しても男子中心のチームで試合出場の機会が少なく、辞めていく選手も多かった。そこで連盟は09年夏、機運を高めようと初の女子東西対抗戦の開催を決め、それがきっかけで各ブロックで女子合同チームが結成された。以降、毎年8月末に開催されるブロック選抜対抗戦・鶴岡一人記念大会の中学女子の部で力を競ってきた。ちなみに09、10年度の東日本ブロック女子チームには“美しすぎる女子野球選手”として話題となり、昨年現役を引退した元女子プロ野球選手の加藤優さん(26)も名を連ねていた。
3月から東日本女子に参加した山田(横浜青葉)は「女子だけが分かり合えることがあるので、ここでは何でも言い合って理解、協力ができます」と満足そうだ。長野から通う大場(諏訪)は「女子だからこその絆がある」と強調。2人はともに女子プロ野球選手を目標に掲げた。
一方、「勝負はこれから」(飯森監督)というものの、連覇への課題は多い。エースで4番の大黒柱・矢島(高崎)は「初戦は緊張して力を出せなかった。自分から元気に声を出して、選手それぞれが練習でできたことを試合でも出せるようにしたい」と自覚する。東日本ブロックの中学女子部員は現在60人。参加希望は1年を通して受け付けている。