◆東京女子プロレス「YES! WONDERLAND 2022~夢の翼を広げ~」大会(3日、東京・後楽園ホール、観衆695人超満員札止め)
プロレスラー、筋肉アイドルとして活躍してきた才木玲佳がこの日を最後にリングに別れを告げた。
才木は2014年12月、WRESTLE―1公式サポーター「Cheer♡1」に加入。芸能活動のかたわら16年3月、プロレスデビュー。同年6月から東京女子にレギュラー参戦。プリンセス・オブ・プリンセス王座、プリンセスタッグ王座(パートナーは小橋マリカ)を戴冠。17年夏には同団体の最強決定トーナメント「第4回東京プリンセスカップ」を制覇するなど、活躍した。
その後、同団体のリングから離れ、「Cheer♡1」を卒業。19年8月に右下顎(あご)を骨折し、以後、プロレス活動を休止。今年3月にプロレス、ボディービルからの引退を表明していた。
この日、才木は「Cheer♡1」の後輩・遠藤有栖と3分間のエキシビションマッチに臨んだ。2人は同グループでの在籍期間は重なっていないが、才木にあこがれてプロレスラーになることを志した遠藤はデビュー前に直接指導を仰ぐなど交流を深めてきた。
才木はグラウンドでのレスリングの攻防からドロップキック、サッカーボールキックを繰り出すなど、ブランクを感じさせないファイトぶり。得意技のキャメルクラッチに入ろうとするも、体勢を入れ替えられ、その技を継承した遠藤に絞め上げられたが、タイムアップとなった。
試合後、戦友でもあった山下実優から花束、坂崎ユカから色紙を渡された才木はマイクを持つと、「2年8か月ぶりにプロレスのリングに戻ってきました。人生のなかで一番短く感じる3分。やっぱ短い! 足りない! プロレスは楽しいし、プロレスは大好きだなって。意外と体も覚えてるもんで、リングから離れてる時間が長かったけど、プロレスラーなんだなって実感した3分間でした」と話すと、「最後に対戦してくれた有栖。私の知ってる有栖じゃなくて、もう立派なプロレスラーの有栖でした。もっと有栖と戦いたいって思ったし、またこれから一緒にやってたら、どんなストーリーが紡げるんだろうって、想像も膨らんだし、ワクワクもした」と続けた。
さらに「引退するつもりで、このリングに来たわけですけど、引退撤回しようかなって思ってしまうくらい楽しくて。だけど、引退を決意したのも、悩みに悩んで決めたことだし、0か100かしかできない私の性格だから。ケジメをつける意味でも、今日、私は引退します」ときっぱり。
「実質3年半という短いレスラー人生ではあったんですけど、そのほとんどをこの東京女子でお世話になって、プロレスを好きにならせてくれたのも東京女子でした。離れている間も仲間だと思ってくれていた選手も多いし、引退するって言った時に快く承諾してくれた、懐の深さと愛情の深さ、こういう東京女子だからこそ、私はこれからも大好きです」とあいさつ。引退の10カウントゴングを聞いた。
バックステージで「3分、あんなに短いんだって驚いたり。有栖とはもっとやり合いたかったけど、悔いにはしたくないので、最後に手を合わせることができてよかったです。デビューして1年ちょっととは思えない動きで、後輩として誇らしい存在で、これからの活躍に期待したいです」と遠藤を評価。
「たとえば月イチとか、たまに参戦とか、そういう形ができないたちなので。やるってなったらガッツリやりたい。となると、ケガの怖さだったりも感じる部分が出てくるだろうし。ほかの仕事との兼ね合いで心揺さぶられましたけど引退しました。東京女子は大好きな存在なので、何かしらの形で関わっていけるなら本望です」と淡々と話した。
◆全成績
▽プリンセスタッグ選手権試合30分1本勝負
〇瑞希、坂崎ユカ(13分53秒 キューティースペシャル)角田奈穂、乃蒼ヒカリ●
※第9代王者組が4度目の防衛
▽エキシビションマッチ3分
才木玲佳VS遠藤有栖
※エキシビションマッチのため勝敗なし
▽タッグマッチ20分1本勝負
〇桐生真弥、上福ゆき(10分09秒 逆エビ固め)猫はるな、鳥喰かや●
▽15分1本勝負
〇鈴芽(5分46秒 リングアベル→片エビ固め)長野じゅりあ●
▽6人タッグマッチ20分1本勝負
〇荒井優希、辰巳リカ、渡辺未詩(13分41秒 Finally→片エビ固め)愛野ユキ、らく、原宿ぽむ●
▽タッグマッチ20分1本勝負
〇山下実優、伊藤麻希(15分02秒 Skull Kick→片エビ固め)志田光、宮本もか●
▽プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合30分1本勝負
〇中島翔子(14分29秒 ダイビング・セントーン→エビ固め)ハイパーミサヲ●
※第10代王者が2度目の防衛