加藤優さん、女子野球に目を向けることは野球界全体にとって重要なこと…独占インタビュー(下)

スポーツ報知
女性コーチが女子小学生を教える野球教室を始める加藤優さん(カメラ・軍司 敦史)

 “美しすぎる女子野球選手”として話題となり、昨年現役を引退した元女子プロ野球選手の加藤優さん(26)が、6月に女子小学生を対象とした女性コーチによる野球教室「Sunny Catchball 女子野球塾」を設立する。女子野球を15年近く最前線で見続け、これからも関わり続ける加藤さんにとって、今の女子野球はどう見え、どこに向かっているのかを聞いた。(取材、構成=軍司 敦史)

 昨年8月の女子野球全日本選手権で引退、プレーヤーとして「未練はない」という加藤さんが次にチャレンジするのは、出身地の神奈川県秦野市で始める、女性コーチが女子小学生を教えるスクールだ。自身は父親が少年野球チームの監督をしていたことから自然と野球に親しんだが、女子が野球を始めるには壁があると感じたという。

 「大人になって、私も男子も(互いに)気を使っていたことに気づいたんです。たとえば柔軟体操やキャッチボールで、組んだ男子は学年が上がるにつれて仲間に冷やかされるから避けたがる。だからこっちも気を使う…いらない気遣いでした」

 「おそらく初めてでは」というオール女性コーチも、男性指導者が悩みながら教えていることを見てきたからだ。

 「基本は男女同じでいいと思いますが、一番は女性同士だと、同じ悩みや体の使い方など分かり合える部分が大きいと思います。特に中学生以降は体も変化してくるので、男性コーチは難しいと考えてしまいがちですよね」

 父親は現在、地元で女子中学生チーム「西湘Future」の監督を務めているため、中学生まで一貫して野球を続けられる環境も整う。今回の女性コーチも、父のチームの初期メンバーが手伝ってくれることになった。

 「私の子供時代は秦野市内でも女子選手が3~4人。今も地元が好きで、秦野から女子野球を広めたい思いがありました。女子中学生チームも全国的にまだ珍しいですし、ここで小中と続けられるのは大きいと思うんです」

 加藤さんは、2020年から今年春までDeNAベイスターズのアカデミーコーチとして指導してきた。そのノウハウを生かしつつ、長年アスリートとして過ごしてきた経験から自分なりに考えた部分を組み込んだ。

 「野球って、一緒にアップするじゃないですか。何で一緒なんだろう、何であの動きなんだろうとずっと思っていました。まだ子供なので、楽しく遊びながら体力を養うアップやトレーニングで、同時に野球の技術も教えていければと考えています」

 男子の野球人口が減少する中、女子は女子硬式野球部を持つ高校が1998年の全国3校から昨年は43校と増加。甲子園や東京ドームで全国大会ができるほどになった。加藤さんが所属した女子プロ野球リーグは無期限活動休止となったが、西武、阪神、巨人が女子野球チームを創設するなど、新たな局面をみせている。

 「時代が変わったなと思います。私も甲子園でプレーしたかった(笑)。女子野球を広めるというところでは、プロ野球12球団がチームを持ってリーグ戦をするのが一番の理想。女子プロ野球リーグが出来た時も、それを目標に人口が増えましたし。それが更に名のある巨人とかだったら、全く違うのではないでしょうか」

 これからも女子野球発展に関わりたいという加藤さん。今後を見つめるのは次の世代だ。

 「未来への投資だと思うんです。お母さんも野球ができます、教えられます、ルール分かりますといったことが増えれば、その子供が野球をやっていく確率がきっと上がるでしょう。だから女子野球に目を向けることは、野球界全体にとって重要な事だと思うんです」

 ◆加藤 優(かとう・ゆう)1995年5月15日生まれ、26歳、神奈川県出身。5歳の時に、父が監督をしていた秦野ドリームスで軟式野球を始め、その後硬式野球の二宮大磯リトル、秦野ボーイズ。高校から女子野球のクラブチーム・アサヒトラスト(東京)でプレーし、2016年から女子プロ野球リーグに所属、4年間の間に新人特別賞やベストナインを獲得した。退団後の20年からは、横浜DeNAのスクールで指導する一方で女子クラブチームのGOOD JOB(神奈川)でプレー、昨夏現役を引退した。日本代表「マドンナジャパン」の経験はないが、14年W杯の最終候補選手に残った。身長167センチ、右投げ左打ち、血液型O。

加藤優さんインタビュー<上> 加藤優さんインタビュー<中>

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