巨人担当カメラマンが驚いた、大勢の“うなりを上げる”球威

スポーツ報知
2月20日、ブルペンで力強く投げ込む大勢(カメラ・相川 和寛)

 他の投手を「シューーッ」と表現するなら、この投手は「シュワウゥゥゥゥーー」が適切な表現になると思う。

 プロ野球が開幕して1か月、巨人のドラフト1位ルーキー・大勢投手(22)が1勝11セーブ(5月2日現在)を挙げるなど大活躍を見せ、チームの首位快走の原動力になっている。今年1月から巨人担当をしている私は、彼が3軍スタートだった2月中旬の春季宮崎キャンプで初めて見た、その時の衝撃が今でも忘れられない。

 大勢が3軍キャンプのブルペンで初めて捕手を座らせたのは2月20日。多くの報道陣やファンが見守る1軍投手陣の投球練習とは違い、チームスタッフ以外でその場にいた報道陣は私と記者の2人だけ。ファンも見学できないため、サンマリンスタジアムの隣にあるサンライズブルペンのシャッターは閉じられ、静まり返った空間の中でボールをキャッチャーミットで捕球する乾いた音がよく響いていた。

 大勢が初めて捕手を座らせたということもあり、投球に合わせて「カシャカシャカシャ―」と勢いよくシャッターを響かせた。「リリースがすごい打者寄りだなぁ」と思いながら撮影していたが、数球で“違和感”を感じた。静まり返った空間でシャッターを押すのを止めて耳を澄ました。大勢以外にも入団3年目未満の選手たち数人が並んで投球練習をしていたが、すぐさま違いに気づいた。

 投手がリリースしてから捕手のミットに収まるまでのわずかな時間に聞こえてくる“球音”がまったく違う。他の選手を「シューーッ」と表現するならば、大勢は「シュワウゥゥゥゥー」。決して大げさに表現しているわけではない。空気を切り裂く音は周囲にいた他の若手投手と別物だった。

 球場でプロ野球の試合を取材していると、応援歌やファンの拍手など大きな音が入り交じるため、どんなに耳を澄ましても投手の“球音“が聞こえてくることはない。「うなりを上げる直球」「直球がうなりを上げた」という表現はしばしば使われるが、実際、そんな場面に立ち会ったことは一度もなかった。今回、ブルペンが“密室„という好条件となったことで聞くことができた大勢の「うなりを上げる直球」。その後の活躍は皆さんご存じの通り。これからさらにセーブを積み重ねていく剛腕をファインダー越しに追い続けていきたい。(写真部・相川 和寛)

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請