【巨人】中島宏之、球団最年長の満塁弾「うれしくて興奮してしまった」…原監督の信頼厚い「裏リーダー」

4回1死満塁、中越えに今季第1号となる先制の満塁本塁打を放つ中島宏之(カメラ・泉 貫太)
4回1死満塁、中越えに今季第1号となる先制の満塁本塁打を放つ中島宏之(カメラ・泉 貫太)

◆JERAセ・リーグ DeNA2―8巨人(27日・横浜)

 巨人がDeNAに快勝し、連敗を2で止めた。両軍無得点の4回、チーム最年長の中島がオリックス時代の17年以来、移籍後初となる通算8本目の先制満塁本塁打。阿部の39歳5か月を上回る同8か月での球団最年長グランドスラムとなった。9回には岡本和が2試合連続の8号2ランでダメ押し。先発のメルセデスは7回2安打無失点の快投で、リーグ単独トップの4勝目を挙げ、2位広島との差を2・5に広げた。

 久々の感触が全身を貫いた。中島は真ん中付近に来た坂本のチェンジアップを豪快にカチ上げた。「前の打席三振しとったから絶対バットに当てて得点を取ると。粘って、粘って、しっかりと捉えることができた。久しぶりの満塁ホームラン、うれしくて興奮してしまった」。両軍無得点の4回1死満塁。フルカウントになり、6球目が投じられる前に2度、間を置いた。ファウルを2球挟んだ8球目。振り抜いた打球は、左中間スタンドへ飛び込んだ。先制の1号グランドスラムに、満面に笑みがこぼれた。

 本塁打自体が、昨年9月18日のヤクルト戦(東京D)以来221日ぶり。満塁弾となるとオリックス時代の17年7月28日の楽天戦以来5年ぶりだ。「(満塁は)好きですね。ええ場面でしょ? おいしい状況やし、打てるもんやと思って入ってる」。チャンスに強い男であることは今季の得点圏で12打数5安打、打率4割1分7厘で10打点の数字が示している。39歳8か月での満弾は阿部慎之助の39歳5か月を超え、球団史上最年長。プロ入りした西武を含め、3球団で打ったのは史上11人目の快挙となった。

 原監督が全幅の信頼を置く。「表のリーダーは勇人だろうけど、ナカジはある意味、そのリーダーを支える裏のリーダー的な存在だと思いますね。選手と監督と中間的な部分では非常に心強い選手ですね」。日によってスタメン、代打と役割は異なるが、中島は「監督から『明日いくで』と言ってもらった時は、なんとか貢献したいという思いで前の日からイメージして寝ています」と常に最善の準備を欠かさない。

 今年7月に40歳を迎えるが、常々「年齢は関係ない」と口にする。兵庫・伊丹北高から00年ドラフト5位で西武に入団。若くしてレギュラーをつかんだが、昔と今とでは打席での感じ方も変わった。「若い時は(相手投手に)『1年目が、2年目が』という雰囲気でこられるでしょ。でも(打席に)立ったら年がナンボ上だろうが関係ないわ思ってた。でも、今度逆になる。年いってきたら『速い球打てるもんやったら打ってみい』みたいに放ってくる」。そんな中でも「ここで打ったろう、みたいな思いが強い」とはね返してきたからこそ、今でも輝きを放つ。

 実績を重ねてはきたが、気持ちはずっと変わらない。「何歳になっても気分は若い時と一緒。何でも挑戦して、あかんくてもまだ挑戦する。やめるまでは」。まだまだ年下には負けられない。長年の経験、勝負どころでの集中力、磨かれたセンス。全てが凝縮された会心の一撃だった。(河原崎 功治)

試合詳細
4回1死満塁、中越えに今季第1号となる先制の満塁本塁打を放つ中島宏之(カメラ・泉 貫太)
満塁弾を放った中島宏之を迎えるナイン(カメラ・相川 和寛)
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