堀米雄斗3年ぶりV「すごいプレッシャー」も1万7000人の前で平野歩夢&那須川天心の前で新技決めた

スケートボード男子ストリート決勝、折り紙の鶴に見立てられた障害物を跳び越える堀米雄斗(カメラ・矢口 亨)
スケートボード男子ストリート決勝、折り紙の鶴に見立てられた障害物を跳び越える堀米雄斗(カメラ・矢口 亨)

◆Xゲーム 最終日(24日、千葉・ZOZOマリンスタジアム)

 スケートボード男子ストリート決勝で、東京五輪金メダルの堀米雄斗(23)=ミクシィ=が2019年大会以来の優勝を果たした。2位は新星の池田大暉(15)、3位は東京五輪代表の白井空良(そら、20)=ともにムラサキスポーツ=が入り、23日の女子パークに続き、日本勢が表彰台を独占した。女子ストリート決勝は、東京五輪銅メダルの中山楓奈(ふうな、16)=ムラサキスポーツ=が2位に入った。

 王者の滑りに、会場が最高潮に沸いた。1位を表示する電光掲示板を見た堀米は下を向き、安心したように小さくほほ笑んだ。「五輪後ですごいプレッシャーがあったけど、優勝できてすごいうれしい」。重圧から解き放たれた五輪金メダリストはボードを掲げ、ファンに「ありがとう」と感謝した。

応援に駆け付けた平野歩夢(右)と談笑する堀米雄斗(カメラ・矢口 亨)
応援に駆け付けた平野歩夢(右)と談笑する堀米雄斗(カメラ・矢口 亨)

 目つきが変わった。降りしきる雨。「(雨で)1本しか滑れないかもしれないと言われた。やるしかないと思った」と雨による繰り上げ終了の可能性もあった。1本目からボードを半回転させてレールに乗り、後輪の金具で滑り降りる大技を決め、全てノーミスで1位。雨が少し弱まり迎えた2本目も勢いは止まらない。

 「自分でもあそこまでバチンとはまると思わなかった」とルーチンの最後に、空中でボードを縦横同時に回転させ、レールをまたぎながら跳び乗って滑る難技「スイッチ・トレフリップ・リップスライド」に成功。雨による転倒のリスクを承知で、五輪後に習得に励んだ2つの技を決めた。雨は強まり、3本目以降は中止となったが、会場中が納得の完全Vだった。

 最終日は1万7000人が訪れ、大会は3日間で延べ4万人が観戦。無観客だった東京五輪とは違う、熱気あふれる会場があった。「こんなに来てくれると思わなかった」。この日、会場に訪れた北京五輪スノーボード男子ハーフパイプ金メダルで東京五輪スケートボード・パークにも出場した平野歩夢(23)=TOKIOインカラミ=、格闘家の那須川天心(23)から祝福された。「最高の仲間が応援に来てくれて、めちゃめちゃうれしかった」。満開の笑顔を見せた。

 日本初開催のXゲームで五輪王者としての務めを果たした。来年以降の日本開催を期待しつつ、「これからも活躍して、この競技ををもっとメジャーなスポーツにしていきたい」。スケボー界の輝く未来、そして2年後のパリ五輪を見据えるエースは強い自覚を口にした。
(手島 莉子)

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