◆Xゲーム 第2日(23日、千葉・ZOZOマリンスタジアム)
スケートボード女子パーク決勝で、東京五輪金メダルの四十住(よそずみ)さくら(20)=ベンヌ=が大会初制覇を果たした。2位に五輪銀メダルの開心那(ひらき・ここな、13)=WHYDAH GROUP、3位に手塚まみ(20)が入り、日本勢が表彰台を独占した。ストリート男子予選は東京五輪金メダルの堀米雄斗(23)=ミクシィ=が1位通過した。
勝負カラーの赤いシャツが、折り紙をイメージしたカラフルな会場で映えた。四十住は2本目で「練習でもあまり乗れていなかった」空中で体を1回転半する大技540を仕掛けて決めきった。前日の練習中に転倒し右膝を負傷していたが「本番は痛みが消える」と驚異の集中で攻略。全ての技をミスなく滑りきると、1位を確信したように両手を高く突き上げた。「日本初開催で、初めて金メダルがとれてうれしい」と笑顔。3、4本目はさらに高さある技で攻め続け、首位を譲らなかった。
この日は母・清美さんの57歳の誕生日。表彰式を終えると真っ先に駆け寄って金メダルをかけてあげ「めっちゃうれしそうだった。抱きついてきました」と喜びを分かち合った。近所にパークの練習場がなかった昨年まで、自宅の和歌山県から神戸市や三重県まで送迎をしてもらった。毎日のように練習にも付き添ってもらい「一人じゃここまでこられなかった」と心から感謝。大切な母の誕生日に初の頂点に輝き「お母さんの誕生日にとれてよかった」。孝行娘が、最高のプレゼントを贈った。
世界の猛者たちが集まる最高峰の大会で、日本勢が表彰台を独占。この日は前日の予選よりも多くの観客が来場し、熱気が会場を包んだ。「また日本でXゲームをやってほしい。日本選手も盛り上がるし、海外選手を生で見るのも刺激になる」。心から大会を楽しみ、最高の形で大舞台を締めくくった。(手島 莉子)