俳優の小栗旬が22日、オンライン取材会で、主演するNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜・後8時)について「正直(メンタルが)しんどい」と心境を明かした。
小栗が鎌倉幕府の第2代執権・北条義時を演じる物語。源頼朝(大泉洋)の亡き後、13人の重臣の中からどう頂点に立つかが描かれる。暗殺、謀略が渦巻く世界観。「ダークヒーローみたいなキャッチフレーズで始まっていますが、ダークというよりシビア。北条が生き抜くための決断をしたら、結果的に残忍ということ」と改めて説明した。
17日放送の第15回「足固めの儀式」では、義時が上総広常(佐藤浩市)を意図せずだました形になり、広常は公開処刑された。小栗は「義時は常に『次どうする?』と考える役。最初は楽しかったのに、だんだん『次は誰をどうはめるか…』となってくる。現場は楽しいのに、しんどくなってきた」と漏らした。
広常の最期は、佐藤が壮絶な斬られっぷりを演じ、SNSなどで大反響に。小栗も「あの日は、この撮影で数本の指に入るくらいピリッとしていた」と振り返る。佐藤とは会話もせず「最期にこっち向いて少し笑顔だったのは、どういうメッセージだったのかな」と思い悩んだという。
前半のクライマックスで、第18回(5月8日放送)で描かれる壇ノ浦の戦いにも言及。「まずはここを目標に動いていた物語。今後の展開を期待してほしい」と呼びかけた。平家滅亡の立役者にもなる源義経役・菅田将暉とは6回目の共演。「大河ならではですが、今回は菅田の方が年上の設定なんです。その辺は変わっていて面白い」と笑った。
菅田とは公私ともに親しい。「底知れない人。現場で悩んでいるそぶりを見せないのに、いつお芝居のことを考えているんだろう」と、つかみどころのない側面を語った。
取材会には制作統括の清水拓哉チーフプロデューサーも出席。これまでいくつかがSNSなどで「神回」と呼ばれていることに「僕ら作り手は毎回そのつもりで頑張っています。第18回を試写で見て嗚咽(おえつ)が止まらなかった」と明かしていた。