元宝塚トップスターの生き方もさまざま、龍真咲の場合は「時間ができて周囲を客観的に見られるように」

雰囲気が変わった印象を受けた元宝塚トップの龍真咲
雰囲気が変わった印象を受けた元宝塚トップの龍真咲

 気持ちの良い春の風に吹かれながら、日比谷界隈を歩いていたら、元宝塚の男役トップ、龍真咲(りゅう・まさき)に遭遇。少し話す機会があったのだが、雰囲気がずいぶん変わったような印象を受けた。

 6年前の取材の記憶がよみがえる。2016年、東京公演でのさよならパレード。約8000人のファンが最後を見届けようと待っていた。ところが、本人は姿を見せたかと思うと、「明日から、みんなも自分の人生をしっかり生きてや」というようなことを大声で発したのだ。ファンを逆に励まして去っていくトップスターを見たのは初めてで、おもしろい人だな、と思った。

 退団後、何度か取材したが、どことなくとんがっている印象だった。それが自然体による素顔なのか、意図的にそのように振る舞っているのか、小さな疑問はくすぶったままだった。19年11月にモータースポーツ関係者と電撃結婚したときは驚かされたが、もともと決めたことに突き進んでいくタイプなのだろう。

 結婚後は、日本とモナコなど海外を行き来する生活。そんな流れもあって「国際女性デー」(3月8日)にはジェンダー平等や女性の能力開発を推進するプロジェクト「HAPPY WOMAN」で龍のアンバサダー就任が発表。「人の心と心をつなぐ活動を」とあいさつしていた。日比谷で会ったとき、柔らかな空気をまとっているようで、以前とは別人ように思える、と正直に伝えた。

 「自分では変わったかどうかは全然分からないんです。でも以前の忙しい生活もそれはそれで幸せでした。でも舞台中心のときは余裕なく、ハツカネズミが滑車をまわっているようだったとも感じる。私自身、振り返ってみて、ようやってたなぁ、と思いますから」といい、「変わった理由をあえて探すなら、比較的ゆっくり過ごせる時間を持てるようになって、自分のことだけでなくいろんなことを客観的に見られるようになったからかもしれません」そんな風に返ってきた。

 4月からは小規模なサロンを始め、エコについて考え、実践していきたいという。何度も海外に行き、日本とは違ったプラスチック使用の少なさに驚かされたという。

 「水筒の水を飲み干して、ノドが乾いて結局ペットボトルの水を買っていては意味がないですよね。新しいタイプの給水所があれば、と思ったり。でも続けていくには無理せず、出すゴミの量を減らすとか、自分たちに出来る小さなことから始めています」。

 結婚が転機となり、初めて経験する穏やかな生活を通して新しい人生の価値感に気づいたのだろう。いまは家庭を優先し、芸能活動をセーブしているが引退した訳ではない。数年後、龍の歌声をじっくり聴いてみたい。おそらく表現力の豊かさにも変化が起きているのではないか、と楽しみにしている。(記者コラム)

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