J2大宮の原博実フットボール本部長が19日、さいたま市内で練習後に報道陣の取材に応じ、高いポテンシャルを誇る選手の“宝の持ち腐れ”に喝を入れた。
12日の就任から1週間、間近で選手を見てきた原氏は「ポテンシャルしかない。それが出し切れてなくて、じれったい。もったいない」とバッサリ。チーム練習後はピッチで積極的に選手に話しかけ、外から見た自身の意見を伝えた。
鋭いドリブル突破が武器の19歳MF柴山昌也には「難しいボールをピタっと止めたから、何をやるかと思ったらすぐ後ろに返した。柴山の良さはそうじゃない。いきなり突破はできないけど、相手、味方の様子を見てプレーしてほしい」。右サイドバックが主戦場のDF茂木力也には「攻撃に行こうとするのは分かるけど、最初に良い守備のポジションを取ることが必要。それをやることで良さが出る」と説いた。
22歳MF奥抜侃志には「バックパスしたら1万円もらうよ」と伝えたという。左サイドからのドリブル突破が武器だが、「あそこ(サイド)で何をやるのかなと思ったらバックパスして『えぇ~?』って。(観客は)そこを見たいから来てるのに、お金返してって感じ。1万円…って言えば少しは変わるかなと。それ以降の練習試合を見たら、前にやってました」と“効果”を実感していた。
さらに、パリ五輪世代の20歳MF高田颯也にも物申した。
原氏が着目したのは、今季初勝利した16日・千葉戦(2〇1)の後半23分にFW河田篤秀が個人技で中央を突破し、2点目を奪ったシーン。右サイドに大きく張っていた高田に対して「『ゴール近くへ行け!』とずっと言ってた。河田が点を入れたからいいけど、高田が中に入って2対1の状況を作らないといけない。あのチャンスにゴール前へいかなかったらサッカーじゃない。河田のシュートがGKに防がれたら、ごっつぁんで高田が決めるとかが出ればチームに勢いが出る。左のクロスに対して外にいることが多すぎる。もっとゴール近くに行くべき」と改善を求めた。
原氏は選手の能力を高く評価した上で「アピールの仕方がみんな下手。持ってるものがあるのに生かせない。ちょっとのキッカケで出せる。一人一人がそれを出すことが重要だと感じる」と強調した。この日はスパイクを履いて練習に参加し、「そろそろボールを蹴るかなと。徐々にコンディションが上がってきたよ。俺が試合に出ようかな」と、冗談交じりに笑顔を見せていた。