【番記者の視点】中盤の新布陣挑戦は機能せずも…横浜FMのキャプテンは前向きな姿勢を貫いた

横浜FMのMF喜田拓也
横浜FMのMF喜田拓也

◆明治安田生命J1リーグ▽第7節 横浜FM0―2広島(6日、Eスタ)

 結果以上に厳しい内容の完敗だった前半10分過ぎから広島のプレスがはまり始め、横浜FMはじりじりと押し込まれた。プレスをかいくぐることができず、立て直せない間に2失点。多くを自陣で過ごし、今季2度目の無得点試合となった。

 今季9試合のワーストとも捉えられるような試合だけに、反省の言葉ばかりが並ぶと予想した。しかし、キャプテンのMF喜田拓也は悔しさを押し殺しながらも前向きな言葉を紡いだ。「中にいる身としては、全部が悪かったとは思わない」。シュート4本、今季初の完封負けにも、90分間を否定することはなかった。

 中盤は普段の三角形と異なる逆三角形に変更した。トップ下のけがによる台所事情もあり、アンカー(守備的MF)に喜田、インサイドハーフ(攻撃的MF)に藤田譲瑠チマ、高卒新人の山根陸を配置。練習は前日のみと厳しかったが、マンマークでサイドに追いやられ、プレーの特徴が似た3人が組んだことも重なって、前進は困難を極めた。

 バックパスが増えたチーム全体も、山根の言う「3人目の動きや1つ飛ばすボール」といった工夫や、個でもプレスをはがそうとする姿勢は物足りなかったように思う。しかし、難しい状況にも「質さえあればはがせるシーンもあった」とサイドバックとの流動的な関係性やFWにつけるパスへの手応えを語った山根。同じ育成組織出身の喜田を追う18歳は、光明を見いだすことも忘れなかった。

 先頭に立つ喜田は顔を上げ、自分たちの挑戦への強い信念を示した。「違う武器を出せる立ち位置(布陣)だと思うので、やる価値はあると思う。結果だけで”なし”としてしまうのはもったいない」。結果や周囲の反応を受け止めつつ、可能性を探り、突き進む覚悟がにじんだ。「マリノスはどんなこともチームで乗り越え、大きな力に変えられる」と信じる男だからこそ発する言葉だった。

 今季アウェーは1分け2敗と白星がない。10日はリーグ5連敗中、敵地では9年間黒星が続く暫定首位・鹿島との一戦。マリノスにとってJ1通算1000試合目でもある。キャプテンの姿勢に引っ張られるのは、チームメートだけでないだろう。16日に初戦を迎えるアジア・チャンピオンズリーグに自信を持ってつなげるためにも、真価が問われる戦いで一丸となって意地を見せたい。(小口 瑞乃)

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